2021 Fiscal Year Research-status Report
Developing an Activity-Based Intervention to Improve Ikigai for Individuals with Serious Mental Illnesses
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21K21104
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永田 真一 筑波大学, 体育系, 助教 (30905592)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | いきがい / 精神障がい / 余暇 / 地域参加 / スティグマ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度において、いきがいインタビュー実施のための準備を進めた。まず、Photo-Elicitation Interview 法を使ったインタビューをするためには、写真を集めてもらうための指示書を、障がいのある参加者にもわかりやすいように作成しなければならない。また、研究参加者の権利を保障するためには写真の取り扱い等についても明記しておかなければならない。この指示書作成を、地域参加に詳しい精神科医師との協働によって完成させた。また、インタビューガイドとインタビュー参加者の属性及びいきがいと余暇活動に関する補足質問紙について作成を行った。これは過去にいきがい研究をした研究者の協力及び、当該年度に参加した日本精神障害者リハビリテーション学会で得た知識を用いて完成させた。 また、以上の指示書とインタビューガイド、質問紙を基に研究倫理の審査を申し込み、承認を受けた。これによってこれから行うインタビューの倫理性について保障できたと理解している。 承認後、インタビュー参加者の募集を行っている。当初想定していた研究参加者のリクルート窓口がコロナ禍のため辞退したため、新たな窓口からのインタビュー参加者の募集をした。その結果、関東地方の精神障がいのある方の通うクラブハウスから協力の承認を得た。当該年度末までに、4名のインタビュー参加者の同意を得、事前質問紙及び写真の収集を始めてもらっている。また、さらに多くの研究参加者にアプローチするため、学外の研究協力者の支援を受け、他の募集窓口へコンタクトをとっている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の長期化及び感染状況が悪化する度に施行される行動規制・自粛によりインタビュー参加者の募集に困難を極めている。当該研究課題は、クラブハウスやデイケア等の精神障がいのある人へのサービス提供者から研究参加者を募集する想定でいたが、多くの事業所では感染リスクの観点から外部者とのコンタクトを謝絶しているところが多い。当該研究課題を進める上で、そのような困難に直面しているが、研究課題の予定通りの完了に向けて、この状況下でも協力をしていただける他の窓口を探すべく奔走している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の申請時はインタビューは対面で行うことを想定していたが、今後の推進方策としては、研究参加者・募集窓口の希望に沿うように、インタビューは対面にこだわらず、オンラインでの実施も含めて進めていくこととしている。今年度、現在までに3名のインタビューを完了しているが、オンラインで実施した。写真を見ながらインタビュー参加者の話を聞くことについて問題もなく実施できることが示された。今後、研究参加者募集の窓口及び研究参加者の希望に沿うよう実施することによって研究参加者の増加を期待している。 収集したインタビュー音声データはすぐに文字起こしを行う。文字起こしデータが集まる都度にThematic Analysisという分析方法で分析を続け、現存する理論 (Kono & Nagata, 2021)を基にさらなる理論の構築をする。このように、理論の構築を進めながら残りのインタビューに臨む。 途中経過としての分析結果を海外の学会(American Therapeutic Recreation Association)での発表を目指し、プロポーザルを提出したところである。アクセプトされれば令和4年度9月に発表をする予定である。 今後のデータ収集の予定としては年内を目標に合計30名程度のインタビュー完成を目指す。そしてそのデータの分析結果を基に、年度内にいきがいを高めることを目的とした介入方法の青写真の作成をする予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による研究参加者の確保に困難を極めたため旅費、謝金等で大きく差額が出ることとなった。今後参加者募集をより多くの窓口からすることにより参加者確保に努める。 また、研究インタビューができなかったことから、音声データの書き起こしにかかる費用についても支出がなかったため余剰となったとみられる。 昨年度想定していた研究参加者の募集促進とデータの書き起こしにかかる費用は、そのまま今年度使用される予定である。
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