2023 Fiscal Year Annual Research Report
Developing an Activity-Based Intervention to Improve Ikigai for Individuals with Serious Mental Illnesses
Project/Area Number |
21K21104
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永田 真一 筑波大学, 体育系, 助教 (30905592)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 生きがい / 精神障がい / 余暇活動 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度には、インタビュー調査により得たデータを基に、精神障がいのある方にとってどのようにしたら生きがいの源泉となるような活動を見つけることができるか質的データ分析法であるThematic Analysisを用いて解明を試みた。その結果、当事者たちが主体的に自分の好む活動を探索し、試行錯誤することが生きがいの源泉となりうる活動が発見するための道筋であることが示唆された。また、当事者たちが主体的に動くためには自己決定が非常に重要であることが示され、支援者や家族の態度が自己決定を促進するか否かの一つの要素であることが示唆された。他方で、精神障がいがあることによる障壁について、社会的スティグマや内面化されたスティグマが探索活動や試行錯誤のための大きなバリアとなっており、そのスティグマに対抗するための方策の必要性が明らかになった。また、余暇と対になる生活ドメインである仕事がどのように生きがいに関連しているかについても検討し、仕事が生きがいにならない場合もあるが、その場合でも社会承認をや他の生きがい活動を支える収入のために就労が必要であると考えており、間接的に生きがいに関与していることが示された。これらの発見を基に、研究結果をAmerican Therapeutic Recreation Associationの学会で発表したことに加え、研究論文としてまとめたもののうち1編がPsychiatric Rehabilitation Journalにて受理、もう1編がJournal of Vocational Rehabilitationに受理された。 研究機関全体を通じて実施した研究により、26名の精神障がいのある方へのインタビューを実施し、逐語録データより精神障がいのある方における生きがいの源泉となる活動を見つけるための道筋が示唆された。自己決定の尊重と自分の好む活動の探索および試行錯誤が重要な項目であることが特定され、それを基に生きがいを高めるための介入法の素案が作成された。
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