2021 Fiscal Year Research-status Report
Why don't pregnant and infant mothers form social networks until they are isolated?
Project/Area Number |
21K21108
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中谷 桃子 東京工業大学, 工学院, 准教授 (40910154)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 孤立 / Well-being / 産前産後 / 産後鬱 / 社会的ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
出産直後に高まる産後うつの予防のためには、妊娠期から適切に他者との関係性(社会的ネットワーク)を構築することが必要である。本研究の目的は、産前産後の社会的ネットワークの形成を支援するための指針を得るために、妊産婦が社会的ネットワークの必要性をどのように認識し、その認識がどのように変化するのかを明らかにすることである。 そこで本研究では、同一回答者に3回(妊娠後期/産後1か月/産後4か月)、妊娠期・産後の社会的ネットワークの必要性の認識・予測に関する同一の質問を行うWeb調査を企画した。同一回答者の産前産後の経時変化を追うことで、認識がどのように変化し、その変化にどう対応しているのかや、その障壁を明らかにする。 2021年度はまず、第一子妊娠中(妊娠後期)の女性を募集し、1回目のWebアンケート調査を開始した。質問は社会的ネットワーク形成の必要性の認識と予測を問う項目を基軸とした。具体的には、コミュニケーションの相手別、および話題別に、コミュニケーションの頻度や満足度を問う質問で構成した。コミュニケーションの相手としては、家族・親戚、友人、公的な支援者(医師や心理士などの専門職/児童館スタッフなどの子育て支援者)に対する認識についてそれぞれ回答を求める形式である。 現在、1回目調査が完了し、計900件の回答を得た。内訳は、2月出産予定163件、3月169件、4月213件、5月305件である。さらに、1回目調査に対して2月出産予定と回答した163名の方に対し、産後1ヶ月(3月)に2回目調査を実施し、54件の回答を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3回予定している調査のうち1回目の調査を完了し、2回目調査も一部開始しているため、概ね順調に進展している。具体的には、質問項目の詳細設計に時間を要し、1回目調査の開始時期に多少の遅れはあったものの、その後は順調にデータ収集を進めている。2回目調査については、2月出産の方には既に配信・回収済みであり、3月以降に出産予定の方には出産月を鑑みて、順次同一のアンケートを送付し、回答を収集していく。また3回目調査は、2回目調査とほぼ同様の質問を行うことから、同様に配信・回収を待つだけの状態にあり、ほぼ予定通りの進捗である。 ただし、既に実施した2月出産(予定)者の2回目調査の回収数(回収割合)が当初想定していたよりも少なかったことから、今後の3月以降出産者に対する2回目調査の回収も難航する可能性がある。その場合、必要に応じて追加で1回目調査の募集を再開するなどの対策が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
Web調査は、3回の調査を継続し、データ収集を完了させる予定である。3回の調査データが得られ次第、その結果をもとに学会投稿を進める予定である。 また、本研究ではWeb調査に加え、ネットワーク形成行動の促進・阻害要因を明らかにする質的調査も実施予定である。同調査においては、ネットワークを形成している人/していない人に対し、産前産後のエピソードを詳しく聴取することや、量的調査(Web調査)結果の解釈につながる質問を行う予定である。
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Causes of Carryover |
Web調査の開始時期が、詳細質問項目の設計に時間を要し、後ろ倒しになった関係で、2021年度のWeb調査費用としては、年度内に納品が完了した1回目調査費のみを支払った。利用予定の総額は変更はなく、2022年度に、計画していた残りの額(2回目・3回目調査費)を支出予定である。加えて、当初予定していた質的調査の調査費として残りの予算を使用予定である。
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