2022 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中発作時対処の良否と予後、及び慢性病患者の対処行動;脳卒中悉皆登録調査より
Project/Area Number |
21K21110
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
清原 麻衣子 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50907988)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 慢性疾患保有 / 発症時対処行動 / 啓発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は、慢性疾患保有者の脳卒中発症時の対処行動に着目した調査である。 現在、我が国は高齢化の進展と共にさらなる脳卒中の増加が危惧されており、脳卒中は発症予防のみならず、発症者の機能予後改善に関する取り組みが課題である。脳卒中が疑われる患者に対しては、発症時に可及的速やかに救急車を要請し、脳卒中治療が可能な施設に受診することが推奨されている。しかし、脳卒中ハイリスク者である慢性疾患保有者の発症時対処行動の特徴は明らかとなっていない。本研究は、慢性疾患保有者の脳卒中発症時の対処行動の特徴を明らかにし、予後について検討をおこなうものである。 交付申請時の研究実施計画において、初年度は長期追跡が可能となる、2011年発症登録データ提供を受け(2015年までの追跡が可能)、データベースの構築を完了した。次年度の解析にて、脳卒中発症前の高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動の有無による発症時の救急車利用割合の相違を検討を行った。結果として、本研究対象者では、発症前に慢性疾患既往をもつ者のほうが脳卒中発症時に救急車を利用しているとは示されなかった。慢性疾患保有者に対して、当該疾患管理に関する教育に加えて、脳卒中発症時の適切な対応、つまり直ちに救急車を要請して受診するよう指導することが必要であることが示された。学術成果としては、本結果について国際学会および国内学会にて報告予定であり、成果還元を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はCOVID-19感染の影響により、データ解析に遅れが生じたため、主解析の結果を得るまでにとどまった。結果についての成果報告まで行うことができなかった。そのため、延長申請をおこない、主解析結果および、より詳細な下位解析に関して国際学会報告や論文公表成果報告を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
主解析の結果については、論文公表に取り組むと共に、より詳細な下位解析を進める。また成果の社会還元として、脳卒中発症時対処に関する教育的講演等の機会が得られれば、積極的に成果を周知する。加えて、次年度事業期間において、年次を拡大したデータの提供を受け、解析を進める予定である。ただし、諸般の事情から困難な場合には、まずは2年間で得たデータをもとに解析および成果公表を行うなど、有用な報告につなげる所存ある。
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Causes of Carryover |
本年度はCOVID-19感染の影響により、データ解析に遅れが生じたため、主解析の結果を得るまでにとどまり、結果についての成果報告まで行うことができなかった。そのため従来想定していた国際学会での報告や論文公表には至らず、旅費や物品費の点で次年度使用額が生じている。今年度はすでに国際学会への登録や論文公表にむけて進めており、旅費・物品費を主として翌年度分として使用予定である。
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