2021 Fiscal Year Research-status Report
母親を孤立させない産後ケア創出に向けた1年間使用可能な産後ケアニーズ尺度の開発
Project/Area Number |
21K21114
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宇都宮 美加 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (80812130)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 産後ケア / 産後の支援 / 産後の困りごと / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、産後1年間に母親が求める支援の経時的変化を明らかにし、産後ケアに関する母親のニーズを測定する尺度を開発することである。 産後ケア事業の内容や育児環境は地域により差が大きく、母親の居住地域や家族構成などにより受けられる支援は異なり、その満足度がケアニーズに大きく影響する。そのため、文献検討を進めるなかで、まずは幅広い地域における産後1年間の母親の生活や育児の実態を明らかにすることが必要であると考えた。そこで、産後ケアニーズ尺度作成のための項目抽出にあたり、研究方法を面接調査から、より日本全国の広い地域におけるニーズを数多く抽出できるアンケート調査への見直しを行った。 アンケート調査実施のため、先行文献を参考に産後の母親の困りごと、受けている支援の満足度、求める支援の内容を調査する質問票を作成した。産後の困りごとについては、母親自身の体調や生活に関する29項目、育児に関する30項目を設定し、その程度を問う。支援満足度の測定には、支援内容を手段的、情報的、情緒的、評価的サポートの4種に分類し、それぞれ提供者別に支援の有無と満足度を問う尺度を自作した。求める支援の内容は、母親が心身共に健康な状態で自立して育児をするために、母子とその家族に対してどのような支援を望むか自由記載で回答を求める。作成した質問票は、産後1か月から1年程度の母親13名へプレテストを実施し、内容妥当性を確認した。また、アンケート調査は、インターネットを用いて実施する。そのためインターネット調査会社と打ち合わせを重ね、質問票の設計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、産後1か月健康診査時の母親を対象とした産後ケアニーズに関する予備調査結果、先行研究、母親および産後ケアを担う専門職への面接調査より、1年間の産後ケアニーズ項目を抽出し、尺度原案を作成する予定であった。産後ケアニーズを抽出するための方法を面接調査からアンケート調査へ変更したことにより、産後1年間の母親の困りごとおよび求める支援と支援満足度との関連を明らかにし、当初の計画よりも広い地域における産後の母親の生活実態を反映した尺度作成に繋がる。そのため、アンケート調査に用いる質問票の作成およびプレテストに時間を要し遅れが生じている。しかし、インターネット調査会社との打ち合わせも進んでおり、次年度は倫理審査の承認が得られ次第、速やかにアンケート調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、産後1年未満の母親を対象に、産後の困りごとと求める支援、支援満足度に関するインターネットアンケート調査を実施する。調査結果の分析より、母親の産後ケアニーズを抽出し、尺度の質問項目原案を作成する。尺度の質問項目原案は、専門家や産後の母親への意見聴取、アンケート調査により信頼性・妥当性の検討を行う。
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Causes of Carryover |
令和3年度に予定していた面接調査をインターネットアンケート調査に変更し、次年度に実施する。そのため、面接調査に必要な物品費や交通費、謝礼を計上していたが、インターネットアンケート調査の委託費に変更する。また、調査結果の分析を次年度より実施するため、分析に用いるPCおよびソフトウェアなどの購入費を繰り越した。
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