2023 Fiscal Year Annual Research Report
手術室に従事する麻酔科医・看護師等が行うの業務の効率化に資する研究
Project/Area Number |
21K21118
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
新井 悠介 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30828554)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 働き方改革 / タスク・シフト/シェア / 負担軽減 / 麻酔科医 / 手術室看護師 / 周術期管理センター / 周麻酔期看護師 / 麻酔管理の安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は手術室に従事する麻酔科医、手術室看護師の働き方改革に資する方策を検討するため、①周術期管理センター(外来業務)の効率化、②周麻酔期看護師(PAN)を活用した麻酔管理の安全性について検証を行った。 当院の周術期管理センターでは、麻酔科医、看護師、薬剤師、歯科医師が一体的に術前評価を行っている。麻酔科医と看護師が行う説明について、一部を動画説明に変更することの時間的な削減効果と、スタッフの満足度について検証を行った。全ての患者に共通する内容を約10分の動画にまとめ、事前に視聴してもらった。平均説明時間は麻酔科医:7分27秒(導入前)→4分20秒(導入後)、看護師:8分43秒→3分58秒、平均滞在時間は麻酔科医:11分44秒→9分49秒、看護師:13分36秒→8分35秒と削減効果を認めた。また、麻酔科医の81%、看護師の76%が精神的負担、身体的負担のいずれかの軽減効果を実感していた。 当院の手術室では、麻酔診療の補助を専門的に行うPANを雇用しており、主に麻酔管理の補助を行っている。2名のPANを1名の麻酔科医が監督し、2列の麻酔管理を行う体制(1:2体制)の安全性について、1名の麻酔科医が1名のPANを監督する体制(1:1体制)と比較検証を行った。麻酔記録表や麻酔導入・覚醒時の撮影動画等を含む麻酔情報を、当院の麻酔に従事しない3名の麻酔科専門医が所定の評価項目に従って評価を行った。各評価項目をスコア化し、合計値を比較した。1:1体制群40名、1:2体制群28名でt検定を行ったところ、主要評価項目の「総合的に見て、麻酔管理上の安全性に問題はない」のスコアに有意差は認めなかった。 本観察研究では、麻酔を含む周術期関連事項説明時に動画を導入する効果について、業務負荷の観点から示すことができた。また、PANが携わる麻酔管理の安全性に関して数値化して示した希少な報告である。
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