2023 Fiscal Year Annual Research Report

Internet-based cognitive behavioral therapy program for preventing paternal perinatal depression

Research Project

Project/Area Number	21K21131
Research Institution	National Center for Child Health and Development
Principal Investigator	帯包エリカ国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 上級研究員 (00747347)
Project Period (FY)	2021-08-30 – 2024-03-31
Keywords	周産期うつ病 / 父親支援 / インターネット認知行動療法 / コロナ禍 / 周産期メンタルヘルス
Outline of Annual Research Achievements	本研究は周産期の父親においてどのような悩み・要因がうつ症状に関連するかを明らかにし、認知行動療法を用いて父親の悩みの解決を導くオンラインプログラムを開発し、パイロット試験で実施可能性を検討することが目的である。2023年度の研究成果は以下の通りである。１．父親の妊娠・出産の悩みに関する質的分析：19名の父親へのインタビューを分析し、仕事と家庭の両立、パートナーとのコミュニケーション、自分の時間がないことが父親の主要な悩みであることを明らかにし、学会発表で公表した。本成果を介入プログラムに反映し、実際の事例に基づいたプログラムに変更した。２．周産期の父親のコロナ禍の影響に関する質的分析：パンデミックが周産期の父親に与えた影響には、感染への不安、行動制限、仕事と家庭のバランスの変化、父親への支援の減少等が挙げられ、学会で公表した。今後のパンデミックに備えて非接触型の周産期の父親向けのメンタルヘルス支援の必要性を明らかにした。３．父親の周産期うつ症状のリスク要因に関する分析：日本におけるCOVID-19問題による社会・経済格差評価（JACSIS）研究のパートナー調査データ（1,719名）を分析し、周産期の父親のうつ病のリスク要因としてコロナ不安、小児期の困難な経験、うつ病既往、家族機能が重要であることを示し、論文・プレスリリースにより成果を公表し、父親の周産期のメンタルヘルスケアの重要性を示した。４．周産期の父親のうつ症状予防のためのオンライン認知行動療法プログラムのパイロット試験：23名の対象者に本プログラムのパイロット試験を実施し、実施可能性の評価・課題の抽出を行った。本研究により、リクルート方法の改善、プログラム未実施者・進捗の滞っている参加者へのプログラム着手を促す方法、追加すべき機能が明らかになり、これらの課題を踏まえてプログラムの改良を図り、大規模試験へ発展させる。