2021 Fiscal Year Research-status Report
尿失禁を有する脳卒中入院患者の失禁関連皮膚炎と細菌バイオフィルム形成との関連性
Project/Area Number |
21K21151
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
光田 益士 藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (00521246)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 失禁ケア / 失禁関連皮膚炎 / 皮膚細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では本研究の第1の目的「急性期および回復期病院で尿失禁を有する脳卒中入院患者(研究対象者)の失禁関連皮膚炎の有病率調査」を開始した。具体的には、研究実施施設で研究対象者が入院する診療科(脳卒中リハビリテーション病棟、卒中科病棟、Neurointensive Care Unit)に予め説明し、主治医から本研究実施の承諾を得た。月に1回以上の調査日を設け、失禁関連皮膚炎の有無およびその重症度について調査を行った。調査対象部位は肛門周辺、臀裂部、左臀部、右臀部、性器部(陰唇部/陰嚢・陰茎)、下腹部/恥骨部、左鼠径部、右鼠径部の8部位とした。失禁関連皮膚炎の重症度評価スケール(IAD-set)を用いて重症度評価を行った。 有病率調査と同時に、患者の尿失禁部位から細菌を採取し、菌種の特定のための分離培養プロトコルを検討した。具体的には、研究対象者の日常臨床での陰部洗浄時に、評価対象部位から綿棒を用いたスワブ法で皮膚細菌を収集した。皮膚細菌は肛門周辺、臀裂部、左臀部、右臀部、性器部(陰唇部/陰嚢・陰茎)、下腹部/恥骨部、左鼠径部、右鼠径部の8部位のうち、少なくとも1部位以上から採取した。採取した皮膚細菌の菌種の特定のための分離培養プロトコルを確立した。本研究の分析対象となる臨床分離株(皮膚常在菌35株、腸内細菌7株、カンジダ菌9株を保管し、次年度の研究への使用を予定する。 研究対象者の安全性を担保するため皮膚・排泄ケア認定看護師の協力を得て実施している。病院看護部と月に1回のミーティングを設け、円滑な研究実施体制を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画通りに進んでいる。研究実施機関の倫理委員会の承認後、本研究の目的の1つである「失禁関連皮膚炎の有病率調査」を予定通り開始し、次年度も継続する予定がある。研究対象者である脳卒中入院患者から臨床分離株を収集し、次年度も継続する予定がある。本研究の分析対象となる菌種の分離・同定プロトコルを確立し、次の分析に進む環境が整っている。調査対象病棟の主治医および病院看護部の協力を得て、研究を継続する実施環境が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は当初の研究実施計画の通りに遂行する。失禁関連皮膚炎の有病率調査および皮膚細菌の採取を継続し、十分な症例数を確保した段階でその有病率を明らかにする。バイオフィルム形成能に関する実験プロトコルを確立した後、本研究で保管している皮膚細菌のバイオフィルム形成能を明らかにする。IAD保有患者と未保有患者に群分けし、バイオフィルム形成能に差があるかどうかを明らかにする。令和3年度に続き、皮膚・排泄ケア認定看護師、スーパーバイザーおよび病院看護部と月に1回のミーティングを設け、円滑な研究実施体制を整える。論文投稿および学会発表をそれぞれ2件以上行い、研究発表成果を創出する。本研究の結果から新たな課題を明らかにし、令和5年度以降の研究テーマを設計する。
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Causes of Carryover |
当該年度で計画された経費の約97%を使用した。令和4年度は当初の研究実施計画の通りに遂行する。分析のための試薬・消耗品・機器を購入する。成果発表のための論文の英文校正費、掲載費、および学会発表のための旅費・交通費を使用する。
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