2022 Fiscal Year Research-status Report
An Empirical Study Toward the Development of a Japanese Version of The Scenario Test, a Dialogue Measurement Scale
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21K21154
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小谷 優平 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (30909429)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | The Scenario Test / 対話測定 / 失語症者 / 認知症者 / 日本語版開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
TheScenarioTest日本語版(ST-J)の開発及び信頼性と妥当性の検討にあたり、予備研究と研究協力者との協議を経て、ST-Jを完成させた。さらに本研究として慢性期失語症者のデータを、述べ60名弱、慢性期失語症者の家族からのデータを30名強、対照群となる集積した失語症者と同等の基礎情報(性別、年齢、教育歴、認知機能)を有する健常者のデータを30名弱ほど収集することができた。このサンプルサイズは当初の計画よりは少ないものの、一部の先行研究を支持しており、論文化に値するサイズである。またこのデータを用いて予備的な統計学的検討を行っており、ST-JとCommunicationADLtest、失語症者のコミュニケーション能力の重症度(BDAE)、標準失語症検査との有意かつ十分な正の相関係数が得られ、良好な基準関連妥当性と収束的妥当性が得られた。さらに認知機能の指標(RBMT)との相関は無く、良好な判別的妥当性が得られ、健常者との有意な成績差がみられ、良好な弁別的妥当性が得られた。これらは諸外国における先行研究と同等の結果であり、ST-Jの確かな開発と精度の検討が行えていることの証であると考えている。 さらに失語症者に対する検査における精度についてレビュー研究を開始した。この目的は今までに開発が報告された脳卒中後の失語症者への検査の精度を、各論文を精査する形で整理することで、The Scenario Testが他の検査に比べて確かな精度を有することを証明することであり、つまりST-Jの研究意義を高めるものである。このレビュー研究は広く失語症者への検査を検討するためにScopingReviewとして行い、研究プロトコルに関しての英論文をすでに執筆し、現在投稿中であり、査読者と編集者のリヴィジョンを待っている状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ST-Jの開発及び信頼性と妥当性の検討にあたり、予備研究と研究協力者との協議を経て、ST-Jを完成させた。さらに本研究として慢性期失語症者のデータを述べ60名弱、慢性期失語症者の家族からのデータを30名強、対照群となる集積した失語症者と同等の基礎情報(性別、年齢、教育歴、認知機能)を有する健常者のデータを30名弱収集することができた。そして予備的検討も実施済みである。 しかしながら当初本研究は、本年度中に研究成果の論公表をする予定であったが、そこまでに至っていないのが現状である。したがって本研究は当初予定よりも、やや遅れており、その原因としては新型コロナウイルスの感染拡大によりサンプリングに難渋したことを考えている。そのため、研究期間を延長したため、来年度の研究期間中に研究成果の論文を公表できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
世間に研究成果を公表するための論文執筆において必要なデータをおおむね収集した。また、ST-Jの開発意義を高める目的のScopingreview研究については研究のプロトコル論文の投稿ができた。 今後はすでに予定されているサンプリングが失語症者において10名あり、この作業が終わり次第、最終的なデータの解析を行う予定である。同時に英語での論文執筆にとりかかり、影響力のある英文誌に速やかに投稿予定である。 プロトコル論文はリヴィジョンがあり次第、速やかな対応を行いアクセプトに繋げる。その後このレビュー研究における抽出された論文の一次スクリーニング作業、二次スクリーニング作業を、研究協力者とともに行い、この研究の論文の今年度中の出版に繋げる予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルス感染症の流行にともない、当初予定していたデータ測定や学会への出張が行えなかったためである。 使用計画については、残り10名分の被験者への謝礼、執筆を開始する当該研究の論文の出版に掛かる費用とする予定である。
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