2022 Fiscal Year Annual Research Report
職場移動における看護師のエンプロイアビリティ:看護師の認識に関する調査
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21K21160
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯部 環 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60909935)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 看護師 / 採用 / 転職 / エンプロイアビリティ / キャリア / 持続可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護師が自身のエンプロイアビリティ(雇用される能力)をどのように認識しているのか、および、先行研究で明らかにした看護師のエンプロイアビリティの構成要素に関する情報を提供することによって、看護師のキャリアに関する認識がどのように変化するのかを明らかにすることを目的とした。 最終年度は、看護師4名を対象にインタビュー調査を実施した。その結果を踏まえて質問票を作成し、調査モニターに登録している看護師免許保有者を対象にインターネット調査を実施した。調査では看護師としてのキャリア、自身のエンプロイアビリティに対する認識、キャリアに関する認識などを尋ねた。 看護師免許保有者700名(平均年齢36.4歳)を分析対象とした。回答者のうち調査時点で看護師として就業中の者は96.1%であった。エンプロイアビリティの認識では、構成要素に関する情報提供前の自己評価は平均5.6点(範囲:1-10)であった。エンプロイアビリティの各構成要素の定義について情報提供した上での構成要素ごとの自己評価は、「周囲と良好か関係を築ける」の平均点が最も高く(7.4点)、平均点が最も低かったのは「組織へのコミットメントが期待できる」(6.4点)であった。情報提供を受ける前と比較してエンプロイアビリティが「高い」と感じた者は5.9%、「やや高い」25.4%、「同程度」43.0%、「やや低い」17.7%、「低い」8.0%であった。構成要素に沿った自己評価は、キャリアの検討や自身のエンプロイアビリティの理解、今後のキャリア計画や学習に対して肯定的な影響があると7割以上が回答した。 構成要素の情報を得てエンプロイアビリティを自己評価することは、看護師が自身のエンプロイアビリティを客観的な視点から理解すること、自律的にキャリアをデザインするための手がかりとなる可能性が示唆された。
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