2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K21172
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
杉田 真理子 東海大学, 医学部, 助教 (70758929)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 洋上救急 / 遠洋救急 / 水難救助 / 救急医学 / 病院前救護 |
Outline of Annual Research Achievements |
洋上救急とは洋上で発生した傷病者に対し医師等を急送し患者を引き取り治療を行いつつ陸上の医療機関に迅速搬送するシステムである。遠洋海域においては世界唯一の海上救急医療である。遠洋救急は時間、コスト、マンパワーが必要になる事業である。出動した症例について検討する事により、さらにブラッシュアップした洋上救急医療を提供する事ができると考えている。 洋上救急が昭和60年に発足されて以降30年が経過し820件以上の出動件数があり850名以上の傷病者に対し救急医療を行ってきた。その中で東海大学医学部救命救急医学が携わった症例97件あり全国的に見ても出動件数が多く、更にその特徴として遠洋救急が大半を占め遠洋救急出動件数としては国内では最も多い。 まずは遠洋救急の出動症例が最も多い自施設において症例の特徴を検討した。男女差は圧倒的に男性が多かった。救難要請の多くが漁船であり、平均年齢は46歳であった。傷病者、船舶の国籍のいかんを問わず出動するシステムであり、外国船籍や外国人の傷病者が少なくとも21%以上あった。脳神経系疾患、外傷、消化器疾患の順に多く、脳神経系では脳卒中が、消化器疾患では消化性潰瘍が多くを占めていた。転帰について、医師接触時または接触前に死亡していた症例が6例あった。 そのうち外傷症例について外傷部位や外傷の重症度など遠洋救急での特徴をまとめ日本外傷学会学術集会において報告した。 これらの結果をふまえ日本航空医療学会学術集会において、遠洋救急の有用性と今後の展望について報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会発表を行い、その内容について原著論文の作成を行っています。
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Strategy for Future Research Activity |
日本救急医学会および、日本集中治療学会などの学術集会での発表と、原著論文の作成を引き続き行っていく予定です。
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Causes of Carryover |
社会情勢により研究が中断した機関があったため次年度使用額が生じました。残金については研究をすすめ学会発表を行う費用および前年度学会発表をした内容を学術論文として発表するため、論文作成、投稿費用に使用する予定です。
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