2023 Fiscal Year Research-status Report
リステリア菌を指標とした食品製造施設における衛生管理システム構築の基盤研究
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21K21174
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
下島 優香子 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (60776029)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Keywords | Listeria monocytogenes / UV殺菌 / 紫外線殺菌 / HACCP / 波長222nmUVC |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、人体に無害で細菌に効果があるとされる波長222 nmのUVCライトおよび405 nmにピーク波長を持つ白色LEDのL. monocyto-genesに対する効果を検証した。食品製造環境由来株L. monocytogenes LM22-17およびLM22-43を供試し、波長280 nm UVC LED、波長222 nm UVC、ピーク波長405 nm 白色LEDを照射して菌数の減少を調べた。 供試菌株約7 log cfu/mLを、直径9 cmのシャーレに20 mLずつ分注して波長280 nm UVC LEDを8 mW/cm2で、5、10、15、20、30、40、50、60秒間照射した後、菌数を測定した。波長222 nm UVCは0.5 mW/cm2で、10、20、40、80、160、240、480秒間照射した後、菌数を測定した。波長280 nmのUVCにより菌数は15秒(120 mJ/cm2)以降は<1.0 log cfu/gと、速やかに減少した。波長222 nmのUVCにより菌数は経時的に減少し240秒(120 mJ/cm2)でいずれも<1.0 log cfu/gとなり、波長280 nmのUVCと同等の殺菌効果が認められた。ピーク波長405 nm 白色LEDにより菌数の大幅な減少は認められなかったが、3回試行した際の平均値は遮光や蛍光灯よりも少なく、菌数を低減する可能性が示された。以上より、通常の照明をこれらのライトに置き換えることで、L. monocytogenesが低減される可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食品製造環境に定着して食品を汚染する可能性のあるListeria monocytogenesを制御する方法として紫外線殺菌が考えられるが、紫外線は人体に有害であり有人環境では使用が困難である。2023年度は、人体には悪影響を及ぼさずに殺菌効果はあるとされる波長222nmのUVCのListeria monocytogenesへの殺菌効果を検証することができた。この成果は食品製造環境における本菌の制御に貢献するものである。そのためおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に実施した、Listeria monocytogenesの薬剤感受性試験、消毒薬耐性試験および耐性遺伝子の検索を継続して行う予定である。研究で得られた成果をまとめ、学会発表および論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会が延期になった。次年度開催予定であり、参加する予定である。 所属の移籍があり、年度当初に実験を行うことが困難であった。 所属の移転があり、年度末に実験を行うことが困難であった。
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