2021 Fiscal Year Research-status Report
要配慮者のニーズに合った避難所に関する国際比較研究
Project/Area Number |
21K21187
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高杉 友 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10822223)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 要配慮者 / 高齢者 / 障害者 / 避難所 / 災害対応 |
Outline of Annual Research Achievements |
全世界で自然災害の発生数が増加している。災害時には高齢者、障害者等の要配慮者が多く被災している。しかし、海外の要配慮者の避難状況・避難所のあり方を調査する研究は不十分である。そこで、この研究は、要配慮者のニーズに合った避難所に必要な要素を日本と海外の事例を比較することで俯瞰的に明らかにし、今後の研究課題を提示することを目的として実施している。 2021年度は、英語文献調査と倫理審査の準備を行った。日本の障害者を対象とした研究では、被支援者のニーズの把握、福祉避難所の整備等の安全な場所への避難、信頼できる支援者を持つことの重要性が示され、災害時の備え・マニュアルを福祉の観点から見直す必要性を指摘している。レビュー論文では高齢者の避難と屋内退避に関する政策・指針の欠如、災害対策では年齢よりも機能的能力や障害の有無を考慮する必要性を示している。また、宗教組織等の地域で活動する組織は災害の備え・対応に関し、避難所の提供、地域関係者との連携などの重要な役割を担っていることを報告している。台湾の研究では、避難所の選択に関する社会的決定要因を検証し、教育レベルの低い人は避難所に関して政府に助けを求める傾向、社会的ネットワークが大きい人・災害経験が1回以上ある人は親族・友人を頼った避難を希望、富裕層は避難所としてホテルや賃貸住宅を好むことを示している。 浜松医科大学臨床研究倫理委員会の審査・承認を受けてからインタビュー調査を実施するため、同委員会に提出する書類を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行のため、国内移動の制限があり、インタビュー調査を実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いた時期を見計らい、国内・海外のインタビュー調査を計画的かつ迅速に実施する。そのため、国内外のインタビュー調査対象機関を決定し、連絡先等の必要な情報を整理する。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナウイルス感染症流行のため、国内移動の制限があり、インタビュー調査を実施できなかった。2022年度は国内外においてインタビュー調査を実施するため、旅費が必要である。
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Research Products
(1 results)