2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K21189
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
垰夲 大喜 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60906725)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 前頭側頭型認知症 / 意味性認知症 / 進行性非流暢性失語 / たみこみ症 / ごみ屋敷 / frontotemporal dementia / hoarding disorder |
Outline of Annual Research Achievements |
前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia; FTD)は特徴的な人格、行動の障害、言語障害を呈するため、社会的に問題となる症例が存在する。特に高齢者の独居率が高まり、独居が可能な初期FTD患者の自宅がゴミ屋敷となってしまうという問題も顕在化するようになった。本研究では(1) FTDの重症度評価尺度の日本語版を作成し、信頼性、妥当性、反応性を検証し、(2) FTDにおけるため込みの実情とその要因を明らかにし、(3) FTDにおけるため込みへの介入法を検討することを目的とする。本研究の成果から、社会問題となっているごみ屋敷の対応策に関する重要な知見が得られることが期待される。 研究1:日本語版FTLD-CDRの作成:Wild et al. 2005によるISPORタスクフォースによる尺度翻訳に関する基本指針に従い、日本語版FTLD-CDRを作成した。 研究2:日本語版FTLD-CDRの信頼性、妥当性、反応性の検証:大阪大学医学部附属病院神経科精神科、浅香山病院精神科、日本生命病院神経科精神科を受診し、アルツハイマー型認知症(Alzheimer's disease; AD)、行動異常型前頭側頭型認知症(behavioral variant frontotemporal dementia; bvFTD)、意味性認知症(semantic dementia; SD)、進行性非流暢性失語(progressive non─fluent aphasia; PNFA)と診断された患者を8、18、3、21例リクルートし、登録時の評価を実施した。 研究3:FTDにおけるため込みの実態とその要因の検証:研究2と並行して、同一対象に対し、自宅の散らかりの程度を9つの写真の中から選ぶ、ためこみ症状の写真評価尺度であるClutter Image Rating(CIR)を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、日本語版FTLD-CDRの作成を行い、初回の評価を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2:日本語版FTLD-CDRの信頼性、妥当性、反応性の検証:登録時の評価を行った患者に対して、半年後、1年後の評価を行う。それらの情報を用いて、尺度評定のCOSMINチェックリストに基づき、研究1で作成した日本語版FTLD-CDRの信頼性、妥当性、反応性を検証する。 研究3:FTDにおけるため込みの実態とその要因の検証:AD、bvFTD、SD、PNFAでのためこみ症状の違いを評価する。研究2で挙げた評価項目とCIRの関係を調べ、ため込みの要因を検討する。研究2で挙げた評価項目とCIRの関係を調べ、ため込みの要因を検討する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗予定に変更があったため。
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