2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K21189
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
垰夲 大喜 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60906725)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 前頭側頭型認知症 / 意味性認知症 / 進行性非流暢性失語 / ためこみ症 / ごみ屋敷 / frontotemporal dementia / hoarding disorder |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1:日本語版FTLD-CDRの作成:昨年度、日本語版FTLD-CDRを作成した。 研究2:日本語版FTLD-CDRの信頼性、妥当性、反応性の検証:昨年度、ア ルツハイマー型認知症(AD)、行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD)、意味性認知症 (SD)、進行性非流暢性失語(PNFA)と診断された患者50例リクルートし、初回の評価を実施した。今年度は半年後の評価を44例、一年後の評価を40例に対して行った。脱落の理由は死亡、身体疾患による入院、施設入所などであった。初回評価の解析にて、良好な評価者間・評価者内信頼性、妥当性が確認された。初回・半年後・一年後評価を用いた反応性の検証では、有意な差は得られなかった。この理由として、評価期間が短かったこと、重症例が多く含まれていたことなどが考えらえた。 研究3:FTDにおけるため込みの実態とその要因の検証:昨年度と同様に、今年度も研究2と並行して、同一対象に対し、自宅の散らかりの程度を9つの写真の中から選ぶ、ためこみ症状の写真評価尺度であるClutter Image Rating(CIR)を実施した。CIRは前頭側頭型認知症(FTD)で平均(SD):1.78(0.99)、ADで1.63(0.86)でいずれもカットオフの4を下回り、2群間で有意さはなかった。この理由として本研究は介護者がいる患者、もしくは入院している患者を対象としたことが考えられた。一方でカットオフを上回った症例が3例あったが、いずれも介護者に身体疾患があり、自宅の片づけが難しかった可能性が考えらえた。また、CIRと認知機能検査、精神症状、CDR、FTLD-CDRの相関解析を行ったところ、FTDではCIRと食行動異常、ADでは易刺激性と有意な正の相関があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の感染拡大により、患者の受診控えや関連施設からの紹介減少に繋がり、受診患者が減少したため、症例数は当初の予定を下回ったが、本研究の目的を達成するために十分な症例数が確保できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、本年度に収集したデータを用いて、今後学会発表および論文投稿を行う予定である。また、本研究では介護者がいる患者、もしくは入院している患者を対象とした影響もあり、ためこみ症状がない、もしくは軽症の患者が多かった。今後は独居、もしくは介護者が何らかの困難を抱えている患者も含めた研究が必要であると考えられた。
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Causes of Carryover |
研究の進捗に変更があったため。
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Research Products
(5 results)