2021 Fiscal Year Research-status Report
安全で有効な人工呼吸管理を行うための新規喀痰評価指標の開発のための調査研究
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21K21190
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平山 隆浩 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60902608)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 排痰ケア / 人工呼吸管理 / 医療安全 / 粘弾性 / 基礎看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
安全で有効な人工呼吸管理を行うための重要な指標が喀痰には秘められている。喀痰は乾燥すると粘稠になり、排泄困難から気管支の閉塞をきたす危険性がある。また、感染症の増悪時は喀痰の量が増加し、出血が起こると色の変化などが起こる。 実臨床での喀痰評価は、医療スタッフの目視による主観的評価に依存し、非常に個人差が大きい。近年、人工呼吸器の性能は著しく向上し、自動化されているが、喀痰の性状評価の研究は進んでいない。人工呼吸管理は集中治療室のみならず、今後は在宅医療へもシフトしていくため、より安全性を向上させる必要がある。そこで我々は、喀痰の評価を客観的に行う新規デバイスを作成し、喀痰評価指標を研究するという着想に至った。 令和3年度は喀痰の評価の個人差の程度をアンケートを用いて検討した。粘度と量を定義した模擬痰を作成し、看護師50名に従来通りの目視の評価を行っていただいた。 結果は目視の評価は主観的であり、個人差が大きいことがわかり、喀痰の評価指標の開発の必要性があり、今後の検討項目とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度(STEP: 0)は、研究環境の整備や、学会参加による情報収集、協力体制構築を強固にする取り組みを行なった。そして、喀痰評価の個人差を数値化するために、アンケート調査を実施した。方法は、量、色、粘稠度を規定した模擬痰を作成し、それを実験回路で吸引した動画を作成することとした。そして従来通りに、視覚的な主観的評価を行なったときのばらつきをデータ化し、アンケートを集計した結果を、学会にて発表した。 対象は、全国の看護師とする予定であったが、現状は当大学病院のスタッフ50名とした。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケートの結果を論文化する。また、今後喀痰評価をするためには、喀痰の変化を評価するための指標が必要である。それには喀痰の性状変化のメカニズムを解析することが必要なため、基礎研究の準備をおこなっていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、予定の出張が難しい現状があったため、次年度使用額が生じた。使用計画については、次年度実施する喀痰メカニズム解析に係る費用等に充当する。
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