2021 Fiscal Year Research-status Report
DNAメチル化ダイナミクスと生活習慣病との関連解明のための分子疫学研究
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21K21205
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
坪井 良樹 藤田医科大学, 医療科学部, 助手 (60908466)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / エピジェネティクス / DNMT / TET / 生活習慣病 / 分子疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAメチル化及びDNA脱メチル化は、遺伝子配列に依存しない遺伝子発現の制御機構であり、様々な生活習慣病の発症と進展に関与していることが明らかとなっている。一般的に、DNAメチル化酵素により遺伝子配列上のシトシンにメチル基が付与されると遺伝子発現がOFFになり、DNA脱メチル化酵素により、メチル基が外れることで遺伝子発現がONになる。近年、DNAメチル化に関連する酵素を測定することにより、DNAメチル化変動の傾向を示す「DNAメチル化ダイナミクス」を把握することができると細胞や動物実験で示されている。さらに、DNAメチル化変動の活発性が、発生・細胞機能に重要な役割を果たすことが報告されていることから、生活習慣病の発症・進展に重要な役割を担っていると考えられる。これまでに、ヒトを対象としてDNAメチル化ダイナミクスを調査した研究報告は皆無である。本研究では、住民健診受診者を対象にDNAメチル化ダイナミクスを測定し生活習慣病との関連を調査することを目的としている。本研究成果は、生活習慣病の新たな分子メカニズムの解明と新規予防対策の樹立に貢献することが期待される。 2021年度は、ヒト末梢血白血球の核たんぱく質抽出法の構築を実施した。また、ELISA法を用いたDNAメチル化酵素測定法の検討を開始した。2022年8月に住民健診が実施されるため、サンプル採取およびDNAメチル化関連酵素測定系の構築に向けて引き続き準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに白血球の核蛋白抽出法の確立およびDNAメチル化酵素であるDNMT3Bの測定系を構築することができた。引き続き、その他のDNAメチル化関連酵素について検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年8月の住民健診までにDNAメチル化関連酵素の測定系構築を完了させる。住民健診にて核蛋白質を抽出した後、DNAメチル化関連酵素を測定し、生活習慣病との関連を評価する。
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Causes of Carryover |
住民健診が2022年8月であることから試薬期限を考慮し次年度に持ち越した。持ち越し費用は、DNAメチル化関連酵素測定に使用するELISAキットの購入に充てる予定である。
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