2021 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病患者における栄養摂取量、身体活動量が臨床代謝指標に与える影響の検討
Project/Area Number |
21K21215
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
治田 麻理子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80911635)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 2型糖尿病 / 食事摂取量 / 身体活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
食事及び運動療法は糖尿病治療の根幹であり、欧米人を対象に食事・運動療法に関する研究が数多く報告されている。本研究では、研究報告が少ない日本人を対象として、糖尿病治療の根幹となる食事・運動療法に関する実態調査を実施する。欧米人とは異なる体格、食習慣を持つ日本人の糖尿病患者の肥満や合併症の予防に関して推奨される様々な栄養素(マクロ/マイクロニュートリエント)、食品摂取量及び身体活動量を明らかにし、科学的エビデンスを構築し、現場指導に役立つ基礎資料作成を目指す。 北海道から沖縄まで日本全国の糖尿病専門医を受診中の2型糖尿病患者を対象に標準化された質問紙(食物摂取頻度調査票; FFQg、国際標準化身体活動質問票; IPAQ)を用いてアンケート調査を実施した。性別、年齢、身長、体重等の基本情報の他、日常的に摂取している食品、栄養素、身体活動量等のデータを収集し、解析を行った。BMI25以上の肥満群と25未満の非肥満群に分け、摂取した食品群を比較した結果、肥満群では、非肥満群と比較して、肉類、菓子、砂糖入り飲料の摂取量が有意に多かった。一方、野菜、海藻類等の低エネルギー食品のみならず、いも類、果物、砂糖、魚介類、大豆製品、乳類等、多くの食品群の摂取量はむしろ有意に少なかった。つまり、非肥満群において肥満群と比較して多様な食品群を摂取し、特に豆類、魚介類及び海藻類の摂取を特徴とする伝統的な日本食(和食)に近いスタイルであることが判明した。さらに、2型糖尿病患者の肥満リスクが上昇と抑制に強く関連する菓子類、野菜類、果物類、豆類とその組み合わせの影響が明らかとなった。これらの結果をまとめ、学会発表及び論文執筆の準備を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査を実施し、データベースを作成した。解析を行った結果、日本人2型糖尿病患者の肥満に関連する食品群を明らかにすることができた。概ね研究実施計画通りに進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
日本人2型糖尿病患者の肥満に関連する食品群について、日本国内学会の他、国際学会にも発表し、現在学術雑誌への論文投稿を行う予定である。さらに、作成したデータベースから、糖尿病患者における摂取食品群の他、各種栄養素や身体活動量及びそれらの組み合わせと肥満や血糖管理や合併症との関連等の新たな検討を行う。
|
Causes of Carryover |
論文完成が前年度末であり、前年度中の論文投稿ができなかったため。また、新型コロナ感染拡大の影響で、現地参加の学会に参加できなかったため。次年度以降の使用計画として、完成した論文投稿費の他、新たな検討により解析、論文化をすすめ、さらなる研究成果の発信のために、論文の英文校閲や論文投稿費、発表のための学会参加に充当することを予定している。
|