2021 Fiscal Year Research-status Report
The effect of phospholipid remodeling by LPGAT1 on muscle characterization and function
Project/Area Number |
21K21224
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
佐藤 友紀 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (30908455)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | リン脂質 / ホスファチジルコリン / 骨格筋 / 筋線維タイプ / 骨格筋重量 / 筋発揮張力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、リン脂質のリモデリング反応を担うアシル基転移酵素LPGAT1過剰発現に伴うステアリン酸が結合したphosphatidylcholine(18:0-PC)量の増加が骨格筋機能の発揮や筋形成にどのように影響しているのかを明らかにし、「生体膜を構成するPCに結合している脂肪酸の種類が筋機能の調節に関与する」という新規概念が成立するか否かを検証する。 LPGAT1過剰発現マウスより骨格筋を採取し、重量を測定したところ、長趾伸筋、腓腹筋、前脛骨筋など速筋線維優位な骨格筋において重量が減少していることが明らかになった。一方で遅筋線維優位なヒラメ筋重量は野生型マウスと比して差がなく、LPGAT1過剰発現に伴う骨格筋重量の変化が速筋線維特異的に生じていることが判明した。さらに長趾伸筋、ヒラメ筋より凍結切片を作製し、筋線維タイプの判定、筋線維径を測定したところ、長趾伸筋のTypeⅡb線維で筋線維径が縮小していることを見出した。LPGAT1過剰発現マウスでは四肢握力の低下も観察されており、この表現型は速筋線維面積の減少に伴う重量減少が引き起こしていると考えられる。 今年度にサテライト細胞を単離・培養する実験系も確立できたため、次年度にLPGAT1過剰発現マウスより長趾伸筋由来のサテライト細胞を単離し、細胞増殖能や筋管細胞への分化能の面からも骨格筋重量に及ぼす影響を検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨格筋重量の変化が速筋線維特異的であることを見出し、今後は特に速筋線維の解析を継続する。マウスの交配は定常的に継続できており、計画通りに実験が実施できると想定される。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は速筋線維に注目して、ウエスタンブロットのみならずプロテオミクス解析などを実施することでLPGAT1過剰発現により著しい影響を受ける生物学的機能(タンパク合成、幹細胞機能など)を見出し、その結果をもとに詳細な機序を探求する。加えて、サテライト細胞の解析および筋損傷モデルを作製することで幹細胞機能や筋再生能の面からも骨格筋重量に及ぼす影響を検討する。
|