2023 Fiscal Year Research-status Report
オンラインでの身体機能に応じたグループトレーニングの効果検証
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21K21225
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
山本 沙紀 大阪公立大学, 大学院リハビリテーション学研究科, 助教 (40907549)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Keywords | テレリハビリテーション / 地域在住高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域在住高齢者を対象としたオンライングループトレーニングの効果検証を2020年度から実施している。これまでの検証で同期型のオンライントレーニング(ZOOM等)に対して強い抵抗感があること,また,対面での運動に加えて,非同期型のオンライントレーニング(YouTube)を実施することで活動量を十分に確保することができることが明らかとなった。
そこで,2023年度は,どのような内容の運動介入が身体パフォーマンスの向上に効果的であるか,地域在住高齢者を対象とし検証を行った。具体的には,①歩行機能,バランス機能,立ち座り機能に股関節機能と足関節機能のどちらが重要であるか,②股関節機能向上を図るトレーニングか,足関節機能向上を図るトレーニングのどちらの方がより身体パフォーマンスの改善に効果的であるかの検証を行った。 ①では,歩行と静的バランス能力は足関節底屈機能,立ち上がりと動的バランス能力は股関節伸展機能が重要であることが明らかとなった。②では,十分な運動時間・頻度が確保できているにも関わらず,足関節機能向上を目的としたトレーニングで足関節機能が向上しないという結果が得られた。一方で股関節機能向上を図るトレーニングでは,股関節機能が向上し,その結果,歩行・立ち上がり・動的バランス能力の向上が認められた。 これらの結果から,地域在住高齢者への運動介入では,股関節機能に着目したトレーニングがより有効である可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
同期型のオンライントレーニングへの参加に抵抗感が強く,参加者を十分に確保できないという問題があり,この点に関して遅延が認められる。 しかし,対面に加えて非同期型のオンライントレーニングを実施することで活動量を確保できるというメリットを活かし,2023年度はトレーニング内容まで進めることができた。当初の予定から1年遅れてはいるが,研究計画にある検証を2024年度で実施することが可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は介入研究を主に進めることを予定している。30名程度の様々な身体機能レベルの方を同群として介入研究を実施予定である。身体機能レベル別に異なる運動プログラムを提示し,効果検証を行う。 全体としては進捗状況に遅れが認められるものの、同期型のオンライントレーニングの実施を制限し,介入の実施時期の変更することで,これまで以上に研究対象者数を確保することができると考えている。
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Causes of Carryover |
来年度介入研究を実施するための謝金,および,参加者の活動量を計測するための活動量計を追加購入する予定である。また,論文作成のための英文校正・投稿費用に活用することも計画している。
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