2021 Fiscal Year Research-status Report
超音波診断装置を用いた野球肘内側障害のリアルタイム関節不安定性計測システムの開発
Project/Area Number |
21K21228
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
河端 将司 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (00908551)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 野球肘 / 投球障害 / 関節不安定性 / 超音波 / 動態評価 / リハビリテーション / スポーツ科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
肘内側障害は投球障害の中で最も発症率が高く、野球選手の全ての年代で問題となる障害の一つである。特に肘関節の不安定性が生じると、投球時の肘痛やパフォーマンスの低下が危惧される。この関節の不安定性を評価するツールの一つに超音波診断装置がある。非侵襲的かつ簡便に使用でき、関節の動態を可視化することに優れているが、実際に動いている関節を正確に定量化するにはさまざまな課題が残っている。そこで本研究代表者は、関節の動態をリアルタイムに自動追跡して計測できるシステムを開発すれば関節不安定性の評価に有用であると考え、本研究に取り組んでいる。 2021年度は、本研究のコアとなる自動追跡計測システムの開発に取り組んだ。国内の企業と共同研究契約を締結し、試作の計測システムを完成させることができた。本計測システムは超音波診断装置で描出された「関節の動き」をリアルタイムに計測できるものである。自動的に骨輪郭を識別して追跡できることが最大の強みであり、これまで超音波で定量化することが難しかった関節(骨と骨)の距離を計測できる特徴を有する。予備実験において,動く模型を描出して計測した結果、0.5mm以下の精度で計測できることを確認した。さらに,今年度は肘関節よりも大きな関節である足関節用計測システムの作成に取り組み、生体の関節でも妥当に定量化できることを確認した。現在、超音波関連学会やスポーツ医学系学会の演題発表や海外雑誌への投稿に向けて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で使用する自動追跡計測システムの開発では、国内の企業と共同研究契約を締結して計測ソフトの試作品を完成させることができた。超音波の画面上で計測する関節間距離の変化を精度よく追随できることを確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
超音波画像の関節動態をリアルタイムに計測するシステムの開発目処が立ち、現在は肘関節用の計測システムを作成するための微調整を加えている。今年度は実際の対象者の肘関節の不安定性を計測することを予定しており、年代別や障害の有無で比較検討を行うことを目標とする。
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Causes of Carryover |
2021年度に使用できた研究費は予定の約半額であった。計測時に使用する関節固定具(特注品)の試作と製造に時間を要し、2021度内の納品が間に合わなかった。2022年度早々に納品できる見込みとなっている。また学会がオンライン開催となり出張旅費分を使用することができなかった。2022年度には全額予定通りに執行できる予定である。
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[Journal Article] Ultrasonographic prevalence of ulnar nerve displacement at the elbow in young baseball players.2021
Author(s)
Masashi Kawabata, Toru Miyata, Hiroaki Tatsuki, Daichi Naoi, Mitsuaki Ashihara, Kazuma Miyatake, Yohei Kusaba, Daiki Watanabe, Masashi Matsuzaki, Yuta Suzuki, Kentaro Kamiya
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Journal Title
PM & R
Volume: -
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed
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