2021 Fiscal Year Research-status Report
足関節捻挫既往者における姿勢制御不全機構の解明ー根拠ある介入法樹立を目指してー
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21K21229
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
野津 将時郎 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 博士研究員 (60909571)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 足関節捻挫 / 姿勢制御 / 動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、足関節捻挫リハビリテーションのため、バイオメカニクス解析による臨床テスト(Star Excursion Balance Test:SEBT)を用いた姿勢制御不全機構の解明を目的としている。本研究により、足関節捻挫後の姿勢制御不全機序を量的(SEBTリーチ距離)および質的(動作特徴)に解釈できることを世界で初めて立証するという成果を得ることができる。両解釈による足関節捻挫後の姿勢制御不全に対する新評価法を樹立し、また新評価法での測定結果に基づいた臨床的介入法の立案が学術的創造性となる。足関節捻挫再発予防プログラム開発への発展が学術的波及性となり、リハビリテーション領域の課題である「足関節捻挫再発予防」と足関節捻挫既往者のQOL向上に役立つことが社会的波及性となる。 本研究実施計画と実施状況は以下の通りである。 目標1)バイオメカニクス測定法の確立:SEBT実施時のバイオメカニクス変数を統合的に解析するためのプログラム作成、実験手順を構築する。(完了) 目標2)足関節捻挫既往者の身体重心制御の特徴を解明する:足関節捻挫群と健常群のキネマティクスデータを比較し、仮説である足関節運動と身体重心位置が異なっていることを検証する。(現在解析中、足関節捻挫群のサンプル数が少ないため実験継続中) 目標3)バイオメカニクス変数の統合的解釈:キネマティクスデータ以外のバイオメカニクス変数に関して、探索的な解析を行い、足関節捻挫既往者における姿勢制御の機序を包括的に解明する。(現在解析中)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標1である実験手順の構築を完了し、健常者群のリクルートを順調に進めている。一方、足関節捻挫既往者のリクルートに難航しており、予定人数の半数にも満たしていないため、引き続き募集を進める。また、収集したデータの解析を進め、仮説検証を行い、データ公表を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、足関節捻挫既往者の募集を可及的に進める。次に、健常群と足関節捻挫既往者における、臨床テスト(Star Excursion Balance Test)実施の動作特徴を、バイオメカニクス変数を比較することによって解明していく予定である。さらに、足関節捻挫既往者の動作特徴及び、臨床テストのアウトカムを規定する要因について、探索的な分析を行うことで、介入法樹立の根拠となり得るパラメータの抽出を試みる。
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Causes of Carryover |
令和3年度に使用額は、主に実験遂行のための実験被験者・実験補助者への謝礼として決済した。予定していた学会出張などための旅費使用については、大学規定により職員の国外渡航が認められていなかったために実施不可能となったため、予定していた使用額よりも下回る結果となった。
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Research Products
(1 results)