2021 Fiscal Year Research-status Report
座位時間の延長に伴う毛細血管および導管動脈の機能変化と機序解明
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21K21236
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田宮 創 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (40724737)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 座位行動 / 近赤外分光法 / 下肢血管機能 / 微小循環動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,テクノロジーの発展に伴い,我々ヒトが動かなくても遠隔で様々なことができるようになっており,長時間座位をとる機会が多くなっている.長時間座位により,心大血管疾患の発症や死亡リスクが増加することは世界中で数多く報告されている.しかしながら,長時間座位が健康被害を引き起こす機序は明らかになっていないため,連続した座位を中断する方法やタイミングなどの有効な予防法も確立されていない. 本研究の目的は,長時間座位に伴う下肢の導管動脈と毛細血管における微小循環動態の差異を比較すること,これらの血管の機能低下の発生機序を明らかにすることである.本研究成果により,長時間座位が引き起こす心大血管疾患発症の予防法を開発し,健康増進を図ることで国民へ広く還元することを目標とする. 本年度は予備実験として,短時間の座位と臥位の条件で,導管動脈と微小循環機能を含めた血管機能および循環動態を測定した.下肢の微小循環機能を評価するために,近赤外分光法を用いた骨格筋の酸素動態を測定した.具体的には,250mmHg以上の駆血圧で浅大腿動脈を5分間閉塞した後に,一気に開放することを繰り返す.この時の血管の反応性充血で得られるO2Hb・Mb,HHb・Mb,TotHb・Mbの変化量と反応時間を指標にしている.しかしながら,動脈において急激な駆血開放を繰り返すことが,血管機能に影響を与える可能性があると考え,予備手実験で確認する必要があった. その結果,下肢動脈の駆血開放を繰り返し行っても,血管機能には影響を与えないことが示唆された.これを受け,現在では当初の予定通り,長時間座位の実験に取り掛かっており,微小循環機能が低下する現象を捉えている.今後は研究を進め,機序の解明にも取り組んでいく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験として確認しなければならない問題があったことに加え,Covid19感染症の流行により予定通りの被験者実験が実行できなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
現在は,予備実験の確認を終え,本実験に取り組むことができているため,目標被験者数に達するよう進行していく. また,得られた知見について,関連する国内外の学会で公表するとともに論文として投稿し,研究成果を広く公表していく.
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Causes of Carryover |
購入を予定していた物品の一部を同施設研究者より貸与することができたため,次年度使用額が生じた.本年度に順次使用していく.
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Research Products
(5 results)