2022 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疼痛の発症とビタミンDの関連についてのゲノム疫学研究
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21K21251
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 啓太 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40758504)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 予防医学 / ビタミンD / 公衆衛生学 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々のグループは2011年から石川県志賀町の住民を対象としたコホートを実施している。2021年度は対象者に対して、質問票を用いた追跡調査を実施した。質問票調査では、現在の慢性疼痛(Chronic Pain, CP)の有無と追跡期間中のCPの既往をはじめ、生活習慣や食生活について調査した。約14000名を対象とし、郵送によって質問票の配布、回収を実施した。また、質問票調査に加えて、特定健診受診者を対象として血液検体、血清、尿、健診結果の収集を行った。今後、生化学検査を実施しデータを収集する予定である。 追跡調査と並行し、すでに保有していたデータを使用し、慢性疼痛と25水酸化ビタミンD(25-hydroxyvitamin D, 25(OH)D)の関連に対するビタミンD受容体(Vitamin D Receptor, VDR)遺伝子における一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism, SNP)の影響について横断的解析を進めた。ビタミンD受容体遺伝子の転写活性に関わるTaqI, ApaI, BsmI, FokI, CDX2の5種類のSNPを対象として、それぞれについて対象者を変異アレルの有無で層別化し、解析を行った。その結果、VDR遺伝子のプロモーター領域における転写因子CDX2結合部位のSNPに変異アレルを有する場合において、25(OH)Dが低いこととCPの有病が関連することを明らかにした。 2022年度後半はドイツのGerman Diabetes Centerに滞在し共同研究を進めた。German Diabetes Centerが実施している糖尿病コホートのデータを使用し、有痛性糖尿病性神経障害とビタミンDの関連についての解析を進めている。
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Research Products
(5 results)