2022 Fiscal Year Research-status Report
発達性協調運動症を支援する新しいアプローチ:協調運動の定量的評価と難易度調整練習
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21K21261
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
東恩納 拓也 東京家政大学, 健康科学部, 期限付助教 (70910743)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 発達性協調運動症 / 協調運動 / 評価 / 日常生活活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①発達性協調運動症(Developmental Coordination Disorder:DCD)児にとって重要な日常生活動作に対するマーカーレス・モーションキャプチャを用いた協調運動の定量評価法を開発すること、②難易度調整式の新しい課題指向型アプローチを開発することの2点である。 これらの目的を達成するために、マーカーレス・モーションキャプチャを用いた協調運動能力の定量評価法の精度を検証し、課題難易度を統制した課題指向型アプローチによる運動スキル改善効果を検証する計画である。 2022年度は、2021年度の研究成果をもとに実験課題の検討、及び神経発達症児に対する課題指向型アプローチの効果に関する予備的介入研究を行った。マーカーレス・モーションキャプチャを用いた協調運動能力の評価課題は、子どもの日常生活で実施されている運動課題、及びDCD児の活動・参加に関する先行研究等をもとに、姿勢保持・調節、上肢コントロール、ボール、更衣動作等を実施することとした。神経発達症児に対する課題指向型アプローチの効果に関する予備的介入研究では、放課後等デイサービスを利用する神経発達症児10名を介入群と統制群に分け、介入群に対して週に1回、1回60分、計7回の介入を実施した。その結果、介入前では介入群と統制群で協調運動に関連する日常生活活動(ADL)に有意差はみられなかったが、介入後において、介入群のADLの参加と習得が統制群よりも有意に改善していることが明らかとなった。このことから、協調運動の問題に対する課題指向型アプローチが子どものADLの改善に有効である可能性が示唆された。DCD児の日常生活動作に焦点を当てマーカーレス・モーションキャプチャを用いて評価を行うことの意義は高いと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マーカーレス・モーションキャプチャを用いた定量評価の実験課題と課題指向型アプローチの予備的介入研究は実施できている。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染対策に応じた実験プロトコルの作成等が遅れたため、定量評価のデータ収集が予定よりも進められていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
マーカーレス・モーションキャプチャを用いた定量評価の実験プロトコルの作成を進め、準備が整い次第、早急にデータ収集を行う。また、成人を対象としたデータ収集も進め、マーカーレス・モーションキャプチャによる協調運動能力の定量評価の精度の検証も進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により対象者の募集やデータ収集に遅れが生じており、人件費及び謝金が未支出である。また、成果発表としての学会発表に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響により学会がオンライン開催となり、旅費等の支出が少なかった。 2023年度は、人件費や謝金、旅費等の項目で支出する予定である。
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Research Products
(4 results)