2021 Fiscal Year Research-status Report
胸部単純X線画像を用いた肺年齢推定によるCOPDの早期検出および患者介入の実現
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21K21265
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
笠井 聡 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (60842713)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 胸部単純X線画像 / AI / Deep Learning / 年齢推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年4月~2019年12月までに協力施設で撮影された計367,636症例の胸部単純X線画像の収集を完了。あわせて、約10,800例の呼吸機能データを取得。初期のデータベースが完成した。 肺年齢の推定の前に、上記のデータベースの症例のうち、施設内の立位専用台で撮影された胸部単純X線画像106,519症例(データベース1)を使用して、胸部単純X線画像から実年齢を推定するDeep Learning(DL)を構築した。DL学習用74,563症例、評価用31,956症例に分類し、学習用症例に対し、6層のコンボリューション層および5層の全結合層によるDeep Convolutional Neural Network(DCNN)を構築したところ、AIによって推定された年齢と実年齢の相関が、r=0.925(p<0.001)となることが確認できており、高い相関を得ることができた。また、この結果をパブリックデータベース(ChestXray8)のNo Findingsにカテゴライズされる60,361症例(データベース2)を用いて評価したところ、相関がr=0.536まで劣化した。これは、主に、上記2つのデータベースが、画質が管理された立位専用装置のみのデータベースとポータブル撮影を含むデータベースという画質の違いが大きいと考えられる。この結果に対し、データベース1で学習したデータを用いた転移学習を行うことにより、データベース2の実年齢とAIによって推定された年齢がr=0.842まで改善することを確認した。この結果は、第78回日本放射線技術学会総会学術大会(2022年4月14~17日)にて報告を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースの構築は予定通り進んでいる。 胸部単純X線画像から肺年齢を推定するAIを構築する前段として、胸部単純X線画像から実年齢を推定するAIを開発し、当初の予定通り、AIによって高い相関が得られることが確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回開発した胸部単純X線画像から実年齢を推定するAIをベースに肺年齢を推定するAIの開発に着手する。AIによって推定する肺年齢を算出する元となる呼吸機能データが約10,800例と、当初の想定より若干、症例数が少なくなっており、前年度のデータを含め、収集することでデータ数を確保する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ情勢もあり、共同研究先でのデータ収集、打ち合わせ計画、および、学会発表に若干の遅れがあるため、翌年度にこれらを実施予定です。 本年度は、データ収集の加速、論文作成を含めた学会発表により、予定通りの予算執行を予定しています。
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