2023 Fiscal Year Annual Research Report
胸部単純X線画像を用いた肺年齢推定によるCOPDの早期検出および患者介入の実現
Project/Area Number |
21K21265
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
笠井 聡 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (60842713)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 胸部単純X線画像 / 人工知能 / 呼吸機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Deep Learningを用いて、画像所見のない1枚の正面CXRからスパイロメトリー検査において取得される検査パラメータを正確に推定できるか評価することを目的とした。研究協力施設で胸部単純X線検査とスパイロメトリ検査を同時に行っており、胸部単純X線画像検査では異常を認められなかった11,837被検者のデータを本研究に用いるデータベースとして構築した。Deep Learningの技術を用いて胸部単純X線画像からスパイロメトリ検査の結果を推定したところ、スパイロメトリ検査で評価されるFVC、FEV1、FEV1/FVCのスパイロメトリー測定値とAI推定値とのMAPEは、それぞれ7.59%(r=0.910)、9.06%(r=0.879)、5.21%(r=0.522)であった。FVCとFEV1の測定値と予測値の間には強い正の相関が認められた。また、スパイロメトリーの各指数の平均精度は90%以上であった。Bland-Altman分析では、FVCとFEV1の推定値と測定値の間に良好な一致がみられた。これらの結果により、胸部単純X線画像から肺機能に問題がある患者を早期にスクリーニングできる可能性が示唆された。世界で最も多く撮影される胸部単純X線画像から呼吸機能値を推定することにより、肺機能に異常がある患者をスパイロメトリや他の肺機能検査に促すことが可能となり、診断が遅れている呼吸器疾患の早期検出に貢献できる可能性が示唆された。研究成果は、Frontiers in Medicineに、論文タイトル「Spirometry test values can be estimated from a single chest radiograph」として発表した。
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