2021 Fiscal Year Research-status Report
大学生のスポーツボランティアに対する他律的な認識の形成理由
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21K21267
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
清宮 孝文 静岡産業大学, スポーツ科学部, 講師 (30773808)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | スポーツボランティア / ボランティア / 他律性 / 大学生 / スポーツ / 形成過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果から、スポーツボランティア活動への参加に対する阻害要因として、他律的な認識が挙げられた。スポーツボランティア活動は、本来、自発的に行う活動であるが、なぜ他律的な認識が形成されるのか。本研究では大学生に着目し、スポーツボランティアに対する他律的な認識の形成理由を明らかにすることを目的とした。他律的な認識の形成理由について、「学校教育の影響」、「メディアの影響」、「日本人の風土の影響」の3つの仮説を立て、2021年度は「学校教育の影響」と「メディアの影響」の2点に着目し、研究を実施した。インターネット調査を用いて、大学生1000人以上のサンプルに対してアンケート調査を行い、統計学的に分析を実施したところ、主に以下の2点が明らかになった。 1.スポーツボランティアに対して他律的な認識を有している者は、他律的な認識を有していない者より、中学・高校時代に学校の先生から強制的にスポーツボランティア活動を行うよう命じられた経験がある。 2.スポーツボランティアに対して他律的な認識を有している者は、他律的な認識を有していない者より、メディアの影響でスポーツボランティア活動に他律的な印象を持っている。 したがって、本研究では、学校教育とメディアの影響により、スポーツボランティア活動に対して、他律的な認識を有した可能性があることが示された。 これらの研究成果は、国内誌に投稿し、現在査読を受けている。また、研究成果の1部はすでに学会発表の申し込みを行い、後日、口頭発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、「学校教育の影響」、「メディアの影響」の2点について、検証することができたことから、「おおむね順調に進展している」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、当初の予定通り「日本人の風土の影響」について、検証していく。日本人は、ボランティアへの興味・関心が諸外国よりも低いことが明らかになっているため、風土の影響でスポーツボランティアに対して他律的な認識を有する可能性がある。したがって、2022年度はスポーツボランティアへの認識に関する国際比較を実施する。また、調査によって得られた研究成果を論文投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
学術論文の掲載料やネイティブチェックにかかる経費などを次年度計画に引き継いだためである。また、社会情勢により、海外の研究協力者に依頼する予定であった調査を社会調査会社に変更したことから、次年度使用額が生じた。
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