2023 Fiscal Year Annual Research Report
女性アスリートにおけるシーズンを通じた月経周期によるコンディショニングの検討
Project/Area Number |
21K21275
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
門馬 怜子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (80908187)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 女性アスリート / 月経周期 / コンディショニング / トレーニング / ピリオダイゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、年間を通じて月経周期によるコンディション・パフォーマンスへの影響について評価をおこない、試合やトレーニング、競技特性を考慮した月経周期によるコンディショニング方法の確立をめざすことを目的に検討をおこなった。 最終年度は課題①である「シーズンを通じた月経周期によるコンディション変動の検討」の成果を国際学会(ECSS)にて口頭での発表をおこない各国の専門家らと意見交換することができた。課題①では試合期の月経期には唾液分泌量が減少し、準備期の卵胞期にはSIgA分泌量が減少することを明らかとなった。これらの結果から、SIgAの変化は、試合期の心理的ストレスや月経周期に伴うホルモン変動の影響を受けていることが示唆された。 また課題②である「シーズンの違いが月経周期によるコンディション変動に及ぼす影響の検討」の研究を完遂させた。課題①の大学陸上競技選手に加え、大学女子サッカー選手を対象に試合期、準備期の月経期、卵胞期、黄体期でのコンディション変動の検討をおこなった。その結果、課題①の陸上競技選手とは異なり、サッカー選手ではシーズンや月経周期によるSIgAの変化は見られず、影響を受けにくいことが示された。したがって女性アスリートにおけるシーズンを通じた月経周期によるコンディショニングには、個人種目と団体種目のアスリートとで異なる対策を講じる必要があることが考えられる。 今後はトレーニング量や強度についても評価をおこなったうえで新たな研究で検討していく予定である。
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