2022 Fiscal Year Annual Research Report
合意モデルに基づく分散コミュニティ検出アルゴリズムの開発と理論的解析
Project/Area Number |
21K21282
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 伸高 東京工業大学, 工学院, 助教 (10910127)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 合意モデル / ランダムグラフ / 平均時計算量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はグラフ上の合意モデルのアイデアに基づいてコミュニティ検出を行う分散アルゴリズムを設計・解析するというものである。合意モデルとは、各頂点が意見をもつようなグラフを考え、それらが共通のプロトコルに従って確率的に意見を更新していく離散時間確率過程である。意見の更新を繰り返し、最終的に前頂点が同じ意見をもつようにするのが合意モデルの目標である。一方、コミュニティ検出とは、密なコミュニティが疎に結合されたグラフが与えられたとき、密なコミュニティを復元するタスクである。 本研究ではまず、確率的ブロックモデルと呼ばれるランダムグラフ上でBest-of-kと呼ばれる合意モデルの振る舞いを解析した。既存研究ではk=2,3であればコミュニティ間の辺密度を表すパラメータにある閾値が存在することが知られていたが、本研究ではkが大きくなるほどこの閾値が大きくなることを明らかにした。本成果は冬のLAシンポジウム2021で発表した。 次に、コミュニティ検出と関係のある埋め込みクリーク問題の計算複雑性を解析した。この問題はランダムに大きなクリークが埋め込まれたランダムグラフが与えられたとき、その与えられたクリークを復元せよという問題である。コミュニティ検出や埋め込みクリーク問題の困難性は情報論的下界と計算量理論的下界のギャップが大きな注目を集めている。本研究では、埋め込みクリーク問題や他のランダムグラフ上の問題に対して平均時計算量の手法を適用して困難性増幅と呼ばれる結果を得ることに成功した。これらの成果はSymposium on Foundations of Computer Science(FOCS2022)とSymposium Symposium on Theory of Computing (STOC2023)に採択された。
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