2021 Fiscal Year Research-status Report
遠隔映像解析における検出精度と遅延要件を満足する適応的映像品質制御に関する研究
Project/Area Number |
21K21293
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 暢彦 日本工業大学, 先進工学部, 准教授 (40706032)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | IoT / 映像品質 / モバイル網 / オブジェクト検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,カメラ映像を活用した情報サービスの健全な普及促進,安定運用への貢献に向けて,モバイル網の輻輳を緩和しながら,所望のオブジェクト検出精度と遅延要件を満足する適応型映像配信システムを明らかにすることである.当該年度の目標は,映像品質制御手法を考案することであり,具体的には従来技術と同等のオブジェクト検出精度を維持しながら,帯域消費量を削減する映像品質制御アルゴリズムとアーキテクチャを確立することである. 映像品質制御における従来技術の代表例であるH.265 品質固定モードは,人間の知覚特性を加味して映像の品質を最適化している.そのため,H.265品質固定モードで配信された映像は人間に対しては高い体感品質を安定して提供できるが,機械によるオブジェクト検出を想定した場合,オブジェクト検出精度を一定に保つことが出来ない.したがって,従来手法では,機械によるオブジェクト検出を想定した場合,所望のオブジェクト検出精度を常時維持するために映像の品質を常時過剰な品質に固定しなければならず,帯域消費量が大きな課題となる. 適応型映像品質制御手法では,過去の映像フレームとオブジェクト検出精度の関係性に基づいて,次の映像フレームの品質を動的に制御することで,アプリケーションによって規定されるオブジェクト検出精度の要求値を保証する. シミュレーション評価により,提案手法が従来手法と同等の検出精度を維持しながら,帯域消費量を約55%削減できることを,交差点における車両の衝突回避を想定して,実在する交差点の映像情報を用いて確認した.適応型映像配信システムのアーキテクチャを確立するために,モバイル網におけるアーキテクチャを調査し,その調査結果を踏まえて,各種機能配備について検討した.当該年度の研究成果をまとめて,国内にて発表を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画書の当該年度の計画を概ね達成した.具体的には,当該年度の目標であった映像品質制御手法の確立と,その提案手法が従来手法と比較して高い性能を達成できることを確認した.また,本研究成果をまとめて,国内にて発表を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,映像品質制御手法と優先制御を組み合わせた適応型映像配信システムを確立する.映像データを活用した衝突回避ユースケースを想定し,オブジェクト検出精度,帯域消費量に加え,リアルタイム性を新たな評価軸に加えて遅延特性も評価する.遅延特性を評価するために,解析装置上にモバイル網の模擬環境を構築する.その模擬環境に適応型映像配信システムを実装し,オブジェクト検出精度,帯域消費量,遅延特性等の複数の性能指標を用いて,映像品質制御手法と優先制御を組み合わせた適応型映像配信システムと従来手法の性能比較を実施する.オブジェクト選出精度及び帯域消費量に加え,遅延特性の評価結果をまとめて,国際会議または論文誌への投稿を実施することを計画している.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主たる理由は,新型コロナウイルス感染対策の一環として,学会等への参加による人との接触を回避したためである.次年度は,ハイブリッド開催,または現地開催を計画している学会に,研究成果をタイムリーに広く社会に公開することを目的として参加することに加え,国内外の学会に情報収集のために参加することで,研究成果の公開と情報収集を実施する.
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Research Products
(1 results)