2021 Fiscal Year Research-status Report
幾何学と関数データ解析による医学・生命科学の時空間データマイニング
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21K21316
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 大瑚 京都大学, 医学研究科, 助教 (10911852)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 画像解析 / 関数データ解析 / データマイニング / エピゲノム / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の医学・生命科学研究では、時間構造と空間構造の両方を持ったデータからの情報抽出問題は様々な状況で現れる。例えば、眼科領域における蛍光造影検査は、眼科医療において造影剤が眼底の血管を流れる様子を時系列で撮影することで眼の病気を診断する検査手法であり、臨床医学における典型的な時空間データからの情報抽出問題である。眼科医は、病巣部においては"造影剤が毛細血管からじわじわとしみだしてくる"という特有の状態を示すことから病巣部を同定する。眼底蛍光造影画像の病巣部位を情報科学を用いて定量的に評価することや病巣を自動で同定・検出することが求められている。また、ゲノム、オミックス領域においても、時間構造や空間構造を持ったデータが取得されており、その解析が重要になっている。本研究では、このようなデータ解析上の課題に取り組むための幾何学や関数データ解析を用いたアプローチを開発する。 本年度は、まず、時系列蛍光造影画像データから、上記の特徴を持った病巣領域の特徴を探索する課題に取り組んだ。画像処理や幾何学の知見を用いてデータ駆動的に抽出するための新規のデータ解析手法およびPython言語によるコンピュータープログラムを作成した。提案した手法を臨床画像実データに適用し、病巣の特徴の探索および考察を行った。ゲノム・オミックス領域では加齢エピゲノムデータを対象にした関数データ解析を用いた加齢変化のパターン解析手法を開発し、公共データベース上のデータへの適用および生物学的な考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像解析およびオミックス解析の両方の課題で、実データの解析を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者とのディスカッションを通じて解析手法のさらなる改良や結果の生物学的、医学的解釈を行っていく。
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