2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing a method for Automatic identification of Cervical Cancer Cells by a Deep Neural Network
Project/Area Number |
21K21320
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
坪下 幸寛 杏林大学, その他部局等, 教授 (50910634)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 深層学習 / 画像認識 / 子宮頸がん検診 / 細胞診 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸がんの一次検診はこれまで形態学的検査法の細胞診が担ってきたが、感度はせいぜい70%と指摘されており、その感度の低さが憂慮されている。そこで本研究では専門技師の識別性能を超える自動がん細胞識別の実現を目指し、人間の神経細胞の仕組みを再現した機械学習の方法の一つである深層学習を子宮頸部の細胞診標本に適用し実験を行った。最初に、子宮頸がん検診で得られた細胞診標本を顕微鏡用デジタルカメラで撮影し、画像ごとに異型細胞の有無と程度を付与した大規模なデータセットの作成を行った。現在、このような分類が付与された画像数は約2,619枚、患者数は550人となっている。このデータセットは、単に細胞診の検査結果の分類が付与されているだけはなく、HPV検査、組織診に基づいた分類も付与されている。次に、このデータセットを用いて、組織診の診断を深層学習によって予測する実験を行った。実験には、最先端の畳み込みニューラルネットワークモデルであるResNet、MobileNet、DenseNetを用いた。性能向上の施策として、大規模画像データベースImageNetの事前学習済みモデルを用いたFine-tuningを行った。最も性能の良かったモデルは、DenseNet (Fine-tuningあり) であり、正確度0.90、感度0.87、特異度0.94となった。これは、専門技師の行う形態学検査の性能 (感度0.7、特異度0.9) を上回る結果である。さらに、Fine-tuningの効果についても検証した。その結果、Fine-tuningによってすべてのモデルで性能向上が確認され、平均で正確度が11%向上することが分かった。加えて、最新の勾配ベースの可視化手法FullGradを用いた注目点の可視化を行ったところ、得られた学習済みモデルは正しく異型細胞を注目していることが分かった。
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