2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Living Lab Project Design Method Using Practical Knowledge
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21K21327
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
赤坂 文弥 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (90909722)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | リビングラボ / 実践知 / プロジェクト設計 / 共創 / サービスデザイン / 文献調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、生活者との長期的な共創を通じてサービスをデザインする「リビングラボ(LL)」が高い注目を集めている。しかしながら、LLを効果的に進めるための知見(実践知)は殆ど整理されておらず、企業や行政などのLL実践者は、“拠り所”となる知見や手法がないまま、場当たり的にLLプロジェクトの設計や運営を行っていることが多い。 本研究の目的は、実践知を活用してLLプロジェクトの設計を行うための汎用的な手法を開発することである。そのために初年度は、LLの実践知(LLの効果的な進め方に関する知識)の収集・整理を行った。具体的には、Web of Science、ACM Digital Library、IEEE Xplorerの3つの代表的な論文データべースを用いて、計115件のLLに関する論文を収集し、その調査を行った。本調査にもとづき、LLの実践知を網羅的に抽出した。そして抽出した実践知を分類することで、LLの実践知を「戦略・ガバナンス」「チーム・組織」「プロセス実行」「リソース」の4つの知識カテゴリを用いて構造化することに成功した。本成果は、国内学会(サービス学会)にて口頭発表を行った。今後は、初年度に構築したこの知識構造にもとづき、LLプロジェクトの設計(アセスメントにもとづくプランニング)を支援するためのチェックリストツールを開発し、その有用性を検証する予定である。 上記に加えて、初年度には、本研究全体の構想をポジションペーパとしてまとめた。本ポジションペーパは、LL研究の新たな方向性を示すものであり、ヒューマンインタフェース学会の「研究会賞」を受賞した。また、本ポジションぺーパを、過去のLL研究の変遷と関連付けながらまとめた論文が、査読付学術誌(ヒューマンインタフェース学会論文誌)に採択・掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画を予定よりも早い時期に達成でき、受賞(ヒューマンインタフェース学会研究会賞)や、査読付学術誌への採択などの成果を、当初の計画以上に創出できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に構築したこの知識構造にもとづき、LLプロジェクトの設計(アセスメントにもとづくプランニング)を支援するためのチェックリストツールを開発し、その有用性を検証する。また、その成果を、国際会議や査読付国際誌等に投稿する。
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Causes of Carryover |
初年度は、コロナの影響もあり、インタビュー等の調査や学会発表に紐づく出張が殆どなかったこともあり、次年度使用額が生じた。 今年度は、コロナの状況も見ながら積極的な発表を行うとともに、成果のツール化や論文化などの点に集中して、経費を使用する。
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