2022 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative analysis of bioavailable phosphorus in watershed soil and river suspended sediment by ultrasonic extraction
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21K21331
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
NGUYEN MINHNGOC 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60909240)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 生物利用可能性リン / 超音波抽出 / 河川水中懸濁態物質 / 農地流出 / 富栄養化 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンの生物利用可能性が藻類増殖を左右していることが報告されているが、現在の環境基準の全リンはすべて生物利用可能なリンではない。全リンの中には、複雑な化学構造を持っているリンがあり、藻類はこれらを吸収出来なくて、富栄養化に繋がらない。そのために、生物利用可能性リン(以降,BAP)と生物利用不可能リンを定量するのが必要となる。現在、NaOH抽出法でBAP定量は主流な手法ではある。具体的には、遠心分離法(約3時間/サンプル)で河川水の中から懸濁態と溶存態を分離し、振とう法(約17時間/サンプル)で懸濁態リンと溶存態リンを抽出する。抽出された懸濁態リンと溶存態リンの合計で算定している。濃度測定できるまでは多大な労力と時間がかかることが問題である。 本研究では、超音波洗浄機とNaOHを用いて、河川水中の懸濁態と溶存態を分離せずBAPを迅速かつ簡便に定量できる抽出手法を開発した。遠心分離法で得られた懸濁態BAPとろ過法で得られた溶存態BAPの合計を分離せずに河川水のBAPと比較した結果はほぼ同等で大差はなかったことを立証できた。 それから、超音波洗浄機を用いて懸濁態リンや溶存態リンを抽出した。結果としては、十数時間がかかる振とう抽出法を数分間で抽出できる超音波抽出に置き換え可能であった。2時間以内でBAP測定できようになった。計測設備をうまく組み合わせれば8時間で64サンプルを測定できる。すなわち本研究の提案手法で、農地及び市街地の面源から流入されている河川水のBAP調査は効果的に行われることが期待される。
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Research Products
(2 results)