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2024 Fiscal Year Research-status Report

内戦における反乱軍経済のメカニズムと政治社会的影響-データセットの構築と事例研究

Research Project

Project/Area Number 21KK0021
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

窪田 悠一  日本大学, 法学部, 教授 (40710075)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大林 一広  一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30598149)
冨永 靖敬  法政大学, 経済学部, 准教授 (40779188)
田中 有佳子 (坂部有佳子)  共立女子大学, 国際学部, 専任講師 (50732715)
佐藤 章  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, 次長 (60450491)
Project Period (FY) 2021-10-07 – 2026-03-31
Keywords領域統治 / 反乱軍経済 / 内戦 / コートジボワール
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、国内武力紛争(内戦)下の反政府武装勢力(反乱軍)による市民経済の管理・統制のメカニズムとその影響を理論的、実証的に明らかにすることにある。ここでは特に、反乱軍経済やその影響について、定量的な分析を可能にするデータセットの構築と現地調査を含む事例研究を通して考察している。内戦下の反乱軍は、なぜ、またどのように市民経済に関与するのか、またそうした経済政策や市民経済との関係は紛争の動態や市民の意識や政治社会行動にいかなる影響を及ぼすのかという問いに多角的にアプローチすることで、反乱軍経済だけでなくその領域統治メカニズムの解明に貢献することを目指している。

この目的のため、本研究ではコートジボワールを事例として内戦下の領域統治とその影響を考察することとしている。コートジボワールでは、2002年に始まった内戦が、政府とコートジボワール新勢力(FN)との間で2011年に和平合意が結ばれたことで収束をみた。ただし、この和平合意では、北部地域をFNが統治し、南部地域を政府側が統治するとの取り決めがなされ、その後の分断支配が固定化される要因となった。いくつかの既存の行政区はこの停戦境界によって恣意的に分断されることとなっている。当該年度には、こうした領域統治と経済管理・統制が市民(の社会生活)にどのような影響を及ぼすのかを実証的に明らかにすることを目的とし、独自の調査によるミクロレベルのデータを収集するための準備として現地住民(主に農家)に対する聴き取りを行った。

聴き取りの結果、家計収入の増減における季節的周期性とメカニズム、経済活動をめぐるコミュニティの構造、投資行動に関する認識などについての有益な情報を得ることができた。これらの情報は次年度に行われるフィールド実験及び質問票調査の設計に用いる予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では、次年度に行われるフィールド実験及び質問票調査は当該年度中に実施される計画であった。しかしながら、調査の実査を委託する機関の選定や調整に予定以上の時間を要したこと、また質問票の作成などの調査設計に際して追加の現地調査を行う必要が生じたことなどから、これが遅れることとなった。当該年度にはこうした準備作業を終えることができ、次年度には先延ばしにした研究活動を推進することができる見込みとなった。

Strategy for Future Research Activity

次年度には、コートジボワールにおいて農家を中心とした現地住民に対するフィールド実験及び質問票調査を実施する。ここでの目的は、彼らのこれまでの経験などに基づくリスク選好や時間選好、またそれが将来の生産活動への投資に与える影響を検証することにある。このため、市販されている肥料製品を使用してオークション形式の実験を行い、生産性向上のための投資に向けた支払い意思を測定する。またこれと並行して、彼らの農業活動の経験や規模などに関する情報を質問票調査によって収集する。現時点では、投資対象に関する情報や動員できる資源が、現在の生産活動の規模を強化する動機付けになると考えている。しかしながら、彼らの選好と投資は、内戦中の統治経験に左右される可能性がある。つまり、内戦中のネガティブな経験は、彼らが将来のリスクを重視する誘因となり、生産活動において投資行動をとることをためらうようになる可能性があることを想定している。反対に、そのような経験を持たない個人は、投資のために多くの資源を費やすことをためらわないであろうことが考えられる。こうした現地調査に加えて、次年度中に対象者の実際の投資行動に関するフォローアップ的な質問票調査を実施することを予定している。

Causes of Carryover

当初の計画では、当該年度中に市民の実際の投資行動に関するフォローアップ調査も含めた全ての活動を行う予定であった。しかしながら、調査の実査を委託する機関の選定やそれとの調整、また調査設計に関する情報収集と準備に想定以上の時間を要したため、これらの一部を次年度に行うこととした。このため、これらに充当する予定であった経費が次年度使用額となった。したがって、次年度にはこうした全ての調査を完了させ、成果の発表に向けた論文の執筆、学会やワークショップでの報告、学術誌への投稿・刊行に向けて経費を使用する計画である。

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Published: 2025-12-26  

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