2021 Fiscal Year Research-status Report
Seawater recycling delivered by oceanic plate recorded in the Chenaillet ophiolite, western Alps
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21KK0060
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
川本 竜彦 静岡大学, 理学部, 教授 (00303800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷内 元 静岡大学, 理学部, 特別研究員(PD) (00913956)
田阪 美樹 静岡大学, 理学部, 准教授 (80772243)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | アルプス造山運動 / 炭酸塩 / 流体包有物 / 海洋底変成作用 / 塩濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
海外共同研究者の研究機関に2022年3月に出張しパイロット試料をわけてもらう計画であったが、新感染症の影響で外国出張が不可能と判断し(特に帰国後の長い隔離期間があると学事が行えないため)断念した。そのため、調査地域に隣接するイタリアのオフィオライト試料の提供を国内で受け、薄片を作成し、その岩石記載をラマン顕微鏡を用いて行った。結果は、炭酸塩脈は存在するが脈は細く、しかも結晶が細粒で流体包有物の探査は難しかった。今後、適切な試料を選択する必要を確認した。 本研究計画において使用する電子顕微鏡後方散乱電子回折装置のセットアップを行った。 調査地域のオフィカーボネートの炭酸塩の安定同位体の研究論文を精査し、炭酸塩脈の形成された温度の情報を得た。炭酸塩脈は海洋底の変成作用で形成されており、アルプス造山運動に伴う高圧変成作用や、その上昇による後退変成作用の影響はほとんど受けていないことを確認した。 海外共同研究者と、2022年8月にアルプスで行う地質調査と岩石採取の計画の日程などを相談し始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新感染症の影響で、海外共同研究先に出張することができなかった。今年度は状況が改善していると考えられるので、地質調査と岩石採取が可能になると期待する。そのほか、分析機器などの状態には問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年8月にフランスとイタリアの国境付近で地質調査を行う。日本からは静岡大学から3-4名(学生1-2名を含む)と産業総合研究所から1名で出張する。採取した試料の岩石記載を静岡大学で行う。分析には電子顕微鏡、ラマン顕微鏡、加熱冷却ステージを利用する。後者を利用することで、海洋リソスフェアを形成するマントルの炭酸塩化に伴う流体の化学組成と形成温度に制約条件を与える。また、可能であれば、蛇紋石の結晶方位についても電子顕微鏡を用いてデータを取り、変形機構について知見を得たい。これらについて、2023年度には結果を公表できるようにしたい。また、2023年8月にも地質調査、岩石試料の採取を行う予定である。
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Causes of Carryover |
海外出張ができなかったため。2022年8月に延期して出張する予定である。
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Research Products
(3 results)