2022 Fiscal Year Research-status Report
単原子金属触媒形成によるCeO2不安定結晶面の安定化と新規触媒機能発現
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21KK0085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横 哲 東北大学, 材料科学高等研究所, 講師 (80807339)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | CeO2 (100) / Pt-CeO2 / 単原子触媒 / 超臨界水熱合成 / メタン改質 / その場X線吸収分光 / NSLS II / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、金属触媒を高分散に金属酸化物ナノ粒子表面に担持する手法の開発を行っている。東北大学において、結晶面が制御されたセリウム酸化物(CeO2)ナノ粒子をグラムオーダーで作製する手法を検討した。流通式反応装置や回分式反応装置を用いて10 nm以下で、(100)面を露出したキュービック状の粒子を合成した。また、CeO2にCrやSmなどの異種元素をドープした粒子の合成を行った。合成した粒子について、CeO2の酸化還元度をコントロールすることで、高分散担持が実現することが分かった。酸化還元度を制御して合成したPt担持CeO2は、米国のグループに送付し、高温場でのDRIFT(拡散反射赤外分光)により、詳細にPt担持の化学状態を分析した。その結果、同じCeO2でも還元した状態でPtを載せた場合には化学状態が異なることが明らかとなった。さらに、研究代表者は、米国のBrook Heaven National LaboratoryのNSLS IIに出張し、Stonybrook Universityの共同研究者らと、メタン改質反応その場XAFS実験を行った。CeO2を還元前処理してから、Ptを担持したPt-CeO2は、酸化前処理をしたサンプルと比較し、高活性であり、かつ反応繰り返し特性にも優れていることが分かり、その際の化学状態の特徴がXAFSスペクトルにより明らかとなった。英国のグループと議論し、CeO2表面のモデルについて第一原理計算を行い、Ptの吸着エネルギーやPt周囲の酸素欠損生成エネルギーを取得した。以上のように、本年度は、オンライン会議やサンプルのやり取りを行うことに加えて、米国に一度渡航する機会を得て、研究を進捗させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、オンライン会議やサンプルのやり取りを行うことに加えて、米国に一度渡航する機会を得て、研究を進捗させることができた。三者の特徴を活かした連携が構築でき、独自の触媒調整法の開発とその原子レベルの構造の理解が進んだ。現在追加実験を行うとともに論文発表に向けて成果のまとめを進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、NSLSIIに研究代表者が実験責任者として、申請を行っている。ビームタイムに合わせて米国に出張し、追加実験や新たなサンプルについての測定を行う計画である。また、論文での成果発表に向けて、英国にも出張し、議論を進める計画である。東北大学においては、酸素移動度の極めて高いCeO2-ZrO2ナノ粒子の合成や、2~7 nmの範囲で厳密にサイズを制御したサンプルの合成を行い、これまでにない超微細領域での単原子触媒の可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
2022年度は、米国に実験のため出張に行く機会を初めて得ることができたが、一回にとどまった。このため次年度使用額が生じた。2023年度はNSLSIIのビームタイムの申請も行っており、複数回米国に実験のための出張を行う計画である。また、論文発表に向けて、英国出張も複数回行い議論を詰める計画である。また、成果を学会発表・論文発表するための使用を計画している。
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Research Products
(3 results)