2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of operando X-ray Compton scattering microspectroscopy technique with high-spacial resolution.
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21KK0095
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 宏輔 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90580506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 直史 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (20223159)
Varnava Maria 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (40913108)
田代 睦 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 准教授 (60447274)
酒井 真理 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (70727338)
櫻井 浩 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (80251122)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | コンプトン散乱 / イメージング / 符号化開口 / 非破壊測定 / 高エネルギーX線 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度作製した符号化開口を用いてコンプトン散乱イメージングを行った。試料は、散乱体として点光源を仮定するため銅の丸棒をペンシル状に加工したものを使用した。試料の先端は直径0.1mmの円形である。実験はSPring-8で行った。入射X線は100keVの単色X線を使用し、ペンシル状試料の先端のみにX線を照射した。測定の結果、符号化開口のパターンに対応した散乱X線のパターンを観測した。また、得られた散乱パターンに逐次近似法を用いて再構成した結果、点光源を示す再構成画像を測定することができた。さらに、複雑な構造を持つ試料として1mm角の銅の立方体の表面に大学のロゴマークを加工したもののコンプトン散乱イメージングを行い、概ね散乱X線パターンから大学のロゴを再構成することができた。しかし、ピンホールで測定した画像に比べると符号化開口から得られる再構成画像はシグナル・ノイズ比が悪いことがわかった。この原因として、今回使用した符号化開口の厚みが不足しており、開口以外を透過するX線があることが示唆される。 また、今年度は、本研究経費にて海外共同研究者を招聘し、セミナーを開催するとともに研究打合せを行い、研究者らの交流を促進するとともに研究の進展に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、昨年度作製した符号化開口を用いてコンプトン散乱イメージング実験を行うことができた。また、コンプトン散乱イメージング実験により、符号化開口を用いて点光源を再現できること、ならびに大学のロゴマークを再構成できることを確認できた。一方で、現在の符号化開口の改善点も明らかにすることができたため、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度明確となった改善点について検討し、シグナル・ノイズ比の良いイメージングができるようにしたいと考えている。その他にも海外研究者らとの国際共同研究を推進するために海外へ渡航し交流することを考えている。
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Causes of Carryover |
差額が生じた原因は、コロナ禍の継続により海外渡航が十分に行えなかったことによる。使用計画としては、本研究の目的の一つは、符号化開口を用いたコンプトン散乱イメージングにより蓄電池内部をオペランドで測定することであるため、蓄電池試料を作製、および評価するための装置の購入を考えている。
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