2023 Fiscal Year Research-status Report
Cross-site conservation study of wild and captive mammals endemic in Australia and Japan
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21KK0106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 こづえ 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (50724233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 卓志 北海道大学, 地球環境科学研究院, 助教 (00758493)
小倉 匡俊 北里大学, 獣医学部, 講師 (30723564)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2027-03-31
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Keywords | 採食行動 / 固有種 / 全ゲノム配列解析 / 色覚 / 種特異性 / ストレスモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
行動分析に関しては、2021年度に調査を実施した個体が他園へ移動したため、調査結果を動物園間で比較することで異なる施設で飼育されることによる採食選好性への影響を調べた。前園で好んで採食していたユーカリ種とは異なる種を移動後の動物園では好んで採食しており、その選好性は異動後の動物園にて出生から継続して飼育されている個体と類似していた。飼育施設により異なる場所で栽培されたユーカリ種を給餌しており、それにより葉に含まれる成分が異なることなどが選好性の変化に影響していることが考えられた。飼育園の状況に応じて給餌を変化させることがコアラの採食欲求を満たすために重要であることが示された。 DNA分析に関しては、日本国内のコアラ飼育園7園に依頼して飼育コアラに関するアンケート調査をおこなって、コアラには性格と呼べるような個体差が存在する可能性を確認した。フクロギツネの全ゲノム配列解析について国際共同研究をおこない、Nature Communication誌に共著論文を発表した。フクロギツネはニュージーランドに移入しており、その適応のメカニズムについて考察した。カモノハシとハリモグラの色覚と行動について、アレデード大学と名古屋市東山動物園と共同研究を実施し、Zoological Lettersに論文を発表した。カモノハシとハリモグラの色覚が受容する光の波長域には種差があり、それぞれの種特異な進化と行動に関係していることが明らかになった。日本側の研究では、北海道に寄鯨したネズミイルカとカマイルカについて遺伝子発現研究を実施し、鯨類が頭部に持つ音響脂肪が陸生動物が持つ咀嚼筋などの頭部筋肉に由来することを解明し、Gene誌に論文を発表した。 ホルモン分析に関しては、国内希少種のヤマネコに関して引き続きストレスに関与するコルチゾール濃度を糞から分析し、飼育施設間の移動時にコルチゾール濃度が上昇することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行動、ゲノム、内分泌学分野の全てにおいて、当初の計画通りに十分な結果を得るに至った。そのうち複数の研究成果については、国内外の国際共著論文として成果を発表するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究報告会を密に実施し、双方の分野の研究成果について発表することで交流を深める。また、オーストラリアへの渡航により、相手国との研究交流もより一層の加速を図る。
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Causes of Carryover |
一部のメンバーにおいて、オーストラリアへの渡航および現地試料の分析を今年度中に実施できなかったため、次年度に計画を延期した。
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[Journal Article] Color vision evolution in egg-laying mammals: insights from visual photoreceptors and daily activities of Australian echidnas.2024
Author(s)
Sakamoto S, Matsushita Y, Itoigawa A, Ezawa T, Fujitani T, Takakura K, Zhou Y, Zhang G, Grutzner F, Kawamura S, Hayakawa T.
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Journal Title
Zoological Letters
Volume: 10
Pages: 2
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] The admixed brushtail possum genome reveals invasion history in New Zealand and novel imprinted genes.2023
Author(s)
Bond DM, Ortega-Recalde O, Laird MK, Hayakawa T, Richardson KS, Reese FCB, Kyle B, McIsaac-Williams BE, Robertson BC, van Heezik Y, Adams AL, Chang WS, Haase B, Mountcastle J, Driller M, Collins J, Howe K, Go Y, Thibaud-Nissen F, Lister NC, Waters PD, Fedrigo O, Jarvis ED, Gemmell NJ, Alexander A, Hore TA.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 14
Pages: 6364
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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