2021 Fiscal Year Research-status Report
胎児期の重金属暴露が子どもの神経発達に与える影響:ネパールでの出生コホート研究
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21KK0165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅崎 昌裕 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (30292725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Wai KyiMar 弘前大学, 医学研究科, 助教 (10867154)
高安 伶奈 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (20814833)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | 重金属 / 胎児期暴露 / 神経発達 / ネパール |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は、ネパール・テライ地方でたちあげた出生コホートのフォローアップ研究である。これまで、胎児期の重金属暴露(Pd, As, Zn)を臍帯血のサンプルを用いて評価し、出生時、出生後6か月、24か月、36か月の神経発達指標への影響を評価した。本申請プロジェクトのフィールド調査では、14歳になっている出生コホートの参加者を対象に、神経発達指標、栄養状態、重金属暴露、蓄積的な酸化ストレス指標、腸内細菌叢の評価をおこなう。胎児の神経系は絶え間ない発達のプロセスにあるために,重金属をはじめとする有害物質の影響を受けやすいと考えられている.実際,多くの動物実験研究が,胎児期の重金属暴露と子どもの神経発達指標との明確な関連性を報告している.しかしながら,人間の疫学研究では,胎児期における重金属への暴露と子どもの成長・発達指標との間に一致した結果が報告されているわけではない.その主な理由としては,居住環境,両親とのかかわり,栄養状態など,成長・発達に影響する重金属暴露以外の要因が十分にコントロールされていないことなどが想定されている.本研究の目的は,胎児期の重金属暴露による神経発達への影響が,子どもが思春期に達した時点でみられるのかどうかを検討することである。目的を達成するためにネパール国においてタリブバーン大学の研究者と共同でサンプル収集および分析を実施する。2021年度は、本研究の実施にむけた共同研究者との打ち合わせ、研究倫理申請などを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究費が採択されてから、共同研究者と5回の打ち合わせ会議を実施し、調査の具体的な内容を検討するとともに、研究をはじめるための倫理申請の手続きをすすめた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、研究実施のための倫理承認をうけたうえで、対象とする出生コホートとのコンタクトを試み、現在の状況についての聞き取り調査を実施する。その後、調査地の状況を勘案しながら、当初予定したサンプル収集・解析のプロセスを確実にすすめたい。
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Causes of Carryover |
打ち合わせ会議をZOOMで開催し、出張のための費用が発生しなかったため。
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