2022 Fiscal Year Research-status Report
ニュージーランド人と日本人の比較による新規尿酸遺伝要因の探索・同定と分子機能解析
Project/Area Number |
21KK0173
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
松尾 洋孝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 教授 (00528292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 舞 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (40881496)
豊田 優 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 講師 (80650340)
宮田 大資 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90844415)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 尿酸 / 高尿酸血症 / 痛風 / GWAS / 国際共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究は、血清尿酸値や尿酸関連疾患リスクに影響する遺伝要因の探索・同定を目的とした臨床遺伝学的解析に加え、新たに見出されることが期待される尿酸輸送体(候補)の分子機能解析にも取り組むことを視野に入れた2.5年計画(2021~2023年度)である。その2年度目にあたる2022年度においては、本研究課題における海外共同研究者であるTony R. Merriman博士との精力的な共同研究を初年度に続いて展開し、尿酸関連疾患である痛風の遺伝的リスクに関する人種横断型のメタアナリシス(Global gout projectと命名)」に共同で取り組んだ。その成果の一部については、「A genome-wide association analysis of 2,622,830 individuals reveals new pathogenic pathways in gout」と題して、medRxivにおいてプレプリント発表された。その内容を元に執筆し、有力国際誌に投稿した国際共著論文が現在査読中である。また、関連する内容が2022年11月に米国で開催されたACR Convergence 2022(米国リウマチ学会の2022年次総会)のPlenary presentationとして採択され、Merriman博士によって国際会議の場で発表された。本研究内容は、世界最大規模のメタ解析であり、血清尿酸値や痛風リスクと関連する遺伝子座を350以上同定することに成功している。さらに、本国際共同研究チームの活動によって得られた一連の成果を世界に向けて幅広く伝えることを目的として、国際的に影響力が大きい総説を執筆する準備にも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本国際共同研究は、血清尿酸値や尿酸関連疾患リスクに影響する遺伝要因の探索・同定を目的とした臨床遺伝学的解析に加え、新たに見出されることが期待される尿酸輸送体(候補)の分子機能解析にも取り組むことを視野に入れた2.5年計画である。その2年度目にあたる2022年度においては、本課題における海外共同研究者であるTony R. Merriman博士との精力的な共同研究を初年度に続いて展開し、尿酸関連疾患である痛風のリスクに関する人種横断型のメタアナリシス(Global gout project と命名)」に共同で取り組んだ。この国際共同プロジェクトは次年度以降も継続される予定であり、順調に進行している。新型コロナウイルスの国際的な大流行に伴う社会活動・出入国等の制限により、相手国への訪問は許されなかったものの、電子メール等を活用した綿密なコミュニケーションにより、研究活動のみならず人材交流を促進できたため、国際共同研究基盤のさらなる強化と国際的ネットワークの拡大に貢献できたものと考えられる。現在、社会情勢を鑑み、渡航の計画を準備中である。また、研究代表者・松尾を共同筆頭著者、Tony R. Merriman博士を責任著者とするプレプリント発表「A genome-wide association analysis of 2,622,830 individuals reveals new pathogenic pathways in gout」を行い、関連する論文を国際誌に投稿した。査読の結果に応じて、追加の解析などを実施する予定である。そのため、本研究課題は「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度以降も、Tony R. Merriman博士をはじめとする海外の研究者らと共同研究を継続し、人種横断型のメタアナリシスなどに取り組むことで、血清尿酸値や尿酸関連疾患リスクに影響する遺伝要因のさらなる理解を深めていく。また、これまでに得られた成果については、論文発表ならびに学会発表を通じて、世界に向けて広く発信する予定である。現在、研究代表者・松尾を含む国際共同研究メンバーで、直近5年程度における最新知見をまとめた英語総説の執筆準備を進めており、原著論文発表と合わせて、当該領域における大きなインパクトを期待している。さらに、本課題における学術成果以外の目標である、人材交流を通じた国際共同研究基盤のさらなる強化と国際的ネットワークの拡大についても、引き続き貢献していきたい。海外渡航については、国内外における新型コロナウイルスの流行の状況や各国の施策を注視のうえ、現在海外渡航の準備を進めている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの世界的大流行のため。各種消耗品の購入費用のほかに、旅費、国際誌への論文投稿のための校閲費・印刷費・研究成果投稿料としての謝金・その他の費用として使用する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Clinico-genetics analyses of gout and urate: Recent progresses from Japan2022
Author(s)
H. Matsuo, Y. Shirai, Y. Kawamura, Y. Toyoda, M. Nakatochi, A. Nakayama, S. Shimizu, T. Takada, K. Ichida, N. Shinomiya, Y. Okada
Organizer
Asia-Pacific Gout Consortium 5th Annual Meeting/12th Oriental gout symposium
Int'l Joint Research / Invited
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