2021 Fiscal Year Research-status Report
メキシコ産ワニを対象とした次世代型モニタリング基盤の開発
Project/Area Number |
21KK0193
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岩田 久人 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10271652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野見山 桂 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (30512686)
落合 真理 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 特任助教 (70612662)
渡邉 泉 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30302912)
飯田 緑 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 研究職員 (50882396)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | ワニ / 環境汚染物質 / メキシコ / リスク評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、日本側研究者(岩田)はメキシコに渡航し、今後の研究の打ち合わせとモレレットワニの試料採取をおこなう予定だったが、コロナウィルス蔓延のため渡航できなかった。代わりにインターネットを利用した遠隔会議をおこない、研究の打ち合わせをした。一方、試料採取のためのフィールドワークについては、次年度以降の研究計画を考慮して、メキシコの研究分担者らのグループのみで実行した。日本側研究者は試料採取に必要な試薬などを送り、フィールドワークを支援した。ワニの捕獲と試料採集は、これまでにメキシコの研究分担者らが確立したプロトコルに従って実施された。その結果、ユカタン半島のChichankanaab Lake・Moku Kake・Noh-Ha Lake・Calakumul & Balam-Ku Reserveなどに生息する40頭のワニから爪・鱗甲・血液の試料(合計269)を採取することに成功した。さらに、ワニの健康状態を判断するため,血球計数のための血液塗抹標本も作成した。フィールドワークの状況はメキシコの研究分担者がビデオカメラで記録し、日本側研究者へメール送信することで、情報共有を進めている。日本側研究者も次年度から試料の分析ができるように、文献調査等の情報収集をおこなった。採取した試料は現在、El Colegio de la Frontera Sur(ECOSUR)のメキシコ研究分担者の研究室で冷凍保存されている。試料は2022年度に研究代表者の研究室(愛媛大学沿岸環境科学研究センター)に冷凍のまま空輸される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、日本側研究者はコロナウィルス蔓延のため渡航できなかったが、メキシコの研究分担者らのグループがフィールドワークをおこない、十分な数の試料を採集することができた。日本側研究者も試料の分析法の検討などの準備を進めている。したがって、本課題研究はおおむね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
採集済みの試料については、日本への輸送の準備を進める。一方、爪・鱗甲・血液試料の分析法の検討をおこなう。今年度は特に血清・鱗甲・爪を対象とした環境汚染物質(重金属・微量元素・残留性有機汚染物質)の分析法について検討する。また次年度以降に鱗甲軟組織のトランスクリプトームを解析するために、RNA抽出法の検討、およびワニのゲノム情報の収集をおこなう。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス蔓延により現地調査・試料解析が計画通りに実行できなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度はコロナウィルス蔓延状況が改善すれば、現地調査・試料解析を今年度分も併せておこなう予定である。
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Research Products
(5 results)