2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21KK0199
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長瀬 健一 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (10439838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宏信 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00710039)
有坂 慶紀 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70590115)
山田 創太 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 特任助教 (00847379)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | 温度応答性高分子 / 機能性界面 / バイオ界面 / 細胞分離 / 細胞組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、米国ユタ大学との国際共同研究により、再生医療に用いる幹細胞組織を作製するための機能性バイオ界面を開発することを目的としている。 令和4年度は、配向化幹細胞組織を作製するために、温度応答性のパターン化培養皿を作製した。温度応答性高分子であるpoly(N-isopropylacrylamide)(PNIPAAm)を修飾した細胞培養皿に、Acrylamide、水溶性カンファーキノンの水溶液を滴下した。その後、各種のストライブ状の幅を有するすフォトマスクを被せ、UV光照射によりAAmを光重合させてライン状のパターン構造を有する温度応答性培養皿を作製した。この培養皿では、PNIPAAmは細胞接着部位、PAAmは非接着部位として機能する。 PNIPAAm、PAAmの幅や比率を変化させた様々なパターン間隔を有する培養皿を作製し、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を播種したところ、PNIPAAm: PAAm=1:1、およびPNIPAAm: PAAm=2:1の条件で間葉系幹細胞の配向が確認できた。さらに、培養を行うことで、配向化された間葉系幹細胞シートが作製できた。一方、PAAmの修飾を行っていないPNIPAAmのみの培養皿では、様々な角度でヒト骨髄由来間葉系幹細胞が接着しており、配向していない細胞シートができることを確認した。 これらの結果より、パターン化温度応答性培養皿の最適設計、骨髄由来間葉系幹細胞シートの作製条件の最適化により、効率的な配向性間葉系幹細胞シートの作製が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に予定していた機能性パターン化培養皿の作製、および、間葉系幹細胞シートの作製に着手し、間葉系幹細胞シートを配向させる機能性パターン化培養皿の各種条件を検討することができた。これらの理由より当初の計画どおり順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、令和4年度に引き続き間葉系幹細胞の機能向上を促す機能性バイオ界面の作製を行う。さらに、間葉系幹細胞との親和性を促す因子を機能性バイオ界面に導入することで、間葉系細胞組織作製を効率化する試みを行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、研究代表者が米国ユタ大学への訪問・滞在が困難であった。そのため、当初予定していた出張旅費、滞在費が不要となった。次年度以降にユタ大学への出張費用、滞在費などに使用する予定である。
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