2022 Fiscal Year Research-status Report
ネットワークの多様性と競合フローとの親和性を考慮した機械学習による輻輳制御の探究
Project/Area Number |
21KK0202
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
内海 哲史 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (60605971)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Keywords | BBR / CUBIC / Copa / 非輻輳遅延 / 解析モデル / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】本研究では、基課題(20K11786: バッファリング遅延ゼロ・100%リンク利用率を達成する理想的な輻輳制御の追求)を次のように発展させることを目的とする。 [発展性1] ネットワーク環境の多様性を考慮し、高性能を実現させる。 [発展性2] ボトルネック回線において競合するフローとの親和性を考慮する。 本研究においては、機械学習によるアプローチを取り入れて、これらの発展性を実現することを目的とするが、その前段階として、機械学習をもちいない統計学的アプローチによる方策も検討した。その結果、(研究実績1) 前年度から実施していた研究成果として、輻輳制御アルゴリズムBBRとCUBICによるフローが競合する場合における公平性改善を実現し、IFIP Networking 2022で発表した。また、(研究実績2) オクラホマ大学での研究成果として、非輻輳遅延が発生するようなネットワーク環境下においても、高スループット・低遅延・優れた公平性を実現できる、遅延に基づく輻輳制御アルゴリズムCopaの改善を実現した。さらに、(研究実績3) 機械学習によるアプローチを取り入れることで、Copaフローが、BBRフローまたはCUBICフローとの競合を検出できることと、それらのフローのデータ送信速度を推定できることを確認した。 【意義】機械学習をもちいたアプローチを念頭に、まず、統計学的アプローチにより、ネットワーク多様性と競合フローとの親和性を考慮した輻輳制御アルゴリズムの改善を実現した。機械学習をもちいたアプローチを導入することで、より現実的な状況においても、高スループット・低遅延・優れた公平性を実現できることが期待できる。 【重要性】IFIP Networking 2022で提出した研究論文において、BBRとCUBICによるフローが競合する場合における公平性を最大95.4%改善した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機械学習をもちいない、統計学的アプローチによるが、ネットワーク多様性と競合フローとの親和性を考慮した輻輳制御アルゴリズムの改善を実現できたため。また、機械学習をもちいたアプローチにも着手し、Copaフローが、BBRフローまたはCUBICフローとの競合を高い精度で検出できること、また、それらのフローのデータ送信速度を高い精度で推定できることを確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
機械学習をもちいたアプローチを本格的に導入することで、より現実的な状況においても、高スループット・低遅延・優れた公平性を実現できる輻輳制御アルゴリズムを提案し、そのアルゴリズムを評価する。
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