2023 Fiscal Year Research-status Report
キリスト教信仰覚醒に関する比較研究:英国・ウガンダ・南スーダンを事例として
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21KK0216
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Research Institution | Morioka College |
Principal Investigator |
飛内 悠子 盛岡大学, 文学部, 教授 (40773411)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Keywords | ウガンダ / キリスト教 / 信仰覚醒運動 / 福音派 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年4月より英国エディンバラに渡航し、11月まで滞在した。研究協力者であるワイルド-ウッド教授と研究についての打ち合わせを行うとともに、エディンバラにおける信仰覚醒の実態についてスコットランド教会、福音派教会を拠点とし調査を行った。7月にはケズウィック・コンベンションに参加し、関係者にインタビューを行い、8月、10月にはバーミンガム大学、英国公文書館での文献調査を行った。また、6月にはエディンバラ大学、イエール神学校共催の世界キリスト教に関する学術会議であるイエール・エディンバラ会議、9月には欧州宗教学会の研究大会に参加した。英国での調査において明らかになったのは、英国における福音主義の歴史とそのアフリカのつながりの諸相、人々の信仰覚醒の過程、そしてスコットランドにおける想像以上の教会離れと、福音派、あるいはキリスト教徒の孤立、そしてそれゆえに教会指導者がコミュニティの強化を図ろうとする状況であった。 2023年12月からウガンダに渡航し、カンパラで研究協力者との打ち合わせを行った。そして北部ウガンダのモヨ県で信仰覚醒者宅に滞在、その生活を観察した。2024年1月にはウガンダ中部カユンガ県において東アフリカ信仰覚醒運動の中心地となった教会に滞在し、運動のリーダーたちにインタビューするとともに、礼拝集会に参加した。ウガンダにおいては数ある信仰覚醒者のグループのうち、過激な運動を展開した「選ばれし福音覚醒者(CER)」の存在感の強さとともに、彼らが同じく信仰覚醒者であるはずのペンテコステ派とは自身を異なる者として位置づけている様子が明らかとなった。 2023年3月にはエディンバラに再び渡航し、教会関係者へのインタビューを行うとともに、ワイルド-ウッド教授と互いの調査で得られた成果を照らし合わせ、東アフリカ信仰覚醒運動の地域的特徴についての見解を発展させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英国における調査により、欧州の福音派の状況が明らかとなり、アフリカの事例との比較が可能になった。また、東アフリカ信仰覚醒運動の現在の状況について他地域の専門家との共同研究によって認識を新たにすることができ、調査には想像以上の進展が見られた一方で、調査に注力したため、調査成果の公表についてはかなり遅れがみられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査成果の公表に努めるとともに、2024年8-9月には南スーダンで、2024年12月にはスコットランドで、2025年2-3月にはウガンダで調査を行う。スコットランドでは「教会離れ」と福音派との関連について、また、南スーダン、ウガンダでは信仰覚醒者の信仰覚醒による影響と、彼らがそれをどのように認識しているのかについて特に注目する予定である。
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Research Products
(1 results)