2023 Fiscal Year Research-status Report
転倒リスクに影響を与える高齢者の行動パターンの解明
Project/Area Number |
21KK0239
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
檜山 明子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (70458149)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Keywords | 転倒リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、台湾在住高齢者の転倒状況の横断的調査を行った。回答者は、247名であった。年齢の平均は69.7歳(SD4.4)、過去1年間に転倒した者は43名(17.4%)、過去3年間に転倒した者は70名(28.3%)であった。多変量解析の結果、1年以内の転倒に影響を与えるのは「医療者からのアドバイスを受けた」(Odds 2.86, 95%CI 1.14-7.18)、「治療中の疾患がある」(Odds 2.24, 95%CI 1.06-4.74)、3年以内の転倒に影響を与えるのは、「女性」(Odds 1.99, 95%CI 1.07-3.72)、「医療者からのアドバイスを受けた」(Odds 3.01, 95%CI 1.59-5.67)、「治療中の疾患がある」(Odds 1.92, 95%CI 1.02-3.59)であった。 台湾在住高齢者の転倒リスク行動の状況を把握するために、研究者が作成した日本語版転倒リスク行動尺度の中国語繁体字版尺度を作成した。尺度翻訳手続きに基づき、順翻訳、逆翻訳、認知ブリーフィングを行い、尺度の妥当性を確認した。さらに、転倒リスク行動中国語繁体字版尺度の転倒判定の精度を確認するために、ROC分析を行った。過去1年の転倒については、ROC曲線を用いたArea Under the Curveは、0.7であり、fair levelであることを確認した。そのため、本尺度は、1年程度の転倒に反応できることが示唆された。転倒に対する反応のカットオフ値は感度を72%に設定した場合は合計得点が30点以下であった(尺度得点範囲21-45,平均値35.9,SD5.2)。転倒リスク行動中国語繁体字版尺度得点は、外出頻度と関連していた(P=.01)。外出頻度が低いほど尺度得点は高かった。また、睡眠の質とも関連しており(P<.01)、睡眠の質が低いほど尺度得点は高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りにデータ収集を終えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、転倒リスク行動中国語繁体字版尺度の妥当性分析をするために横断調査を行う。また信頼性の確認も行う。また、台湾在住高齢者の転倒に関連する行動や要因についてもデータを収集する。 台湾在住高齢者の転倒予防行動を焦点とした行動観察とインタビューの一部のデータ収集を継続し、質的分析を行う。
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