2022 Fiscal Year Research-status Report
弱い消散構造を持つ偏微分方程式系における安定性理論の新たな展開
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21KK0243
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上田 好寛 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (50534856)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Keywords | 安定性解析 / 消散構造 / 偏微分方程式論 |
Outline of Annual Research Achievements |
基盤研究(C)にて採択中の研究課題は「消散構造を持つ非線形偏微分方程式系における安定性理論の構築」である。基課題では、流体力学や弾性体力学など様々な分野に現れる、消散構造を持つ非線形偏微分方程式系における解の挙動を解析することが目的であり、現在順調に研究を遂行中である。一方、本申請内容となる国際共同研究では、極めて脆弱な消散構造やその引き金となる分散性に着目し、これまでの研究で扱った方程式系よりも解析が困難と思われる偏微分方程式系の解の挙動を解明することで,方程式系に内在する消散構造の体系的な分類を行うことが大きな目標となる。 本国際共同研究の鍵は分散性を持つ偏微分方程式系の詳細な解析である.そこで,分散性を持つ偏微分方程式系の専門家であるGSSI研究所のPierangelo Marcati教授とPaolo Antonelli准教授とともに具体的な物理モデルの安定性解析に取り組み、得られた結果を基に一般理論への展開を試みる。具体的には,量子流体力学に起因するQHD(quantum hydrodynamics)方程式系やQuantum Navier-Stokes方程式系などが分散性を有する偏微分方程式系であることが知られており、これら方程式系に対する安定性解析を手始めに行う。さらに、具体的な物理モデルによる解析を通じて分散性を持つ偏微分方程式系の持つ本質的な構造を捉えることで一般理論の構築に挑む。 渡航前の準備として、令和4年度には分散性を持つBresse方程式系に対するスペクトル分解法やエネルギー法を用いて詳細な消散構造の解析を行った。本解析は現在も進行中であるが、研究の本質である消散構造の解析は終えており、令和5年度は本研究に関する研究発表も行なっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、海外滞在に向けて既知の研究調査と自身の研究内容の精査に取り組んでおり、十分な研究材料を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は長期海外滞在を予定しており、令和4年度に行った既知の結果の収集と基礎となる自身の研究内容の精査を基に問題の早期解決に挑む。
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