2022 Fiscal Year Research-status Report
Manipulation of foraging behavior targeting on appetitive states in a predatory natural enemy, Nesidiocoris tenuis.
Project/Area Number |
21KK0273
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
上原 拓也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (80756023)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Keywords | 天敵昆虫 / IPM / 採餌行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物農薬に新規登録された捕食性天敵昆虫のタバコカスミカメは卓越した捕食能力を有する一方で、トマト果実への加害が報告されており、普及の大きな妨げになっている。これは本種の餌嗜好性や食欲に起因する問題であることから、基課題では、化学受容器や脳内情報処理に関わる因子を操作する技術開発を検討した。つぎの段階では、ゲノム編集による責任遺伝子の決定、遺伝系統の確立を計画しているが、昆虫の餌嗜好性や食欲に関する知見、化学受容器の操作に関する技術情報が乏しいため、困難に直面している。そこで、同様のテーマにおいてネッタイシマカを題材として研究し大きな成果を挙げている米国Columbia大学の研究グループと共同研究を行うことで突破口を開きたいと考えている。 ネッタイシマカで発見された摂食行動を調節する満腹センサー遺伝子の相同遺伝子を探索するため、まずタバコカスミカメの国内標準系統の全ゲノム解析を行った。長鎖ゲノムシーケンサーを使用した解析により、既報ゲノムよりも高水準かつ染色体スケールのゲノム解読に成功した。 米国へは2022年10月下旬より渡航し滞在のための準備を行い、同11月1日より共同研究を開始した。まずは、ネッタイシマカにおいて多数の系統を維持・管理する方法、ゲノム編集個体の選抜およびバイナリー発現システムの構築を習得するとともに、ネッタイシマカ・タバコカスミカメのいずれの種でも利用可能な、機械学習による摂食行動の評価システム開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) 外国研究費の送金手続きに遅れが生じたこと、2) 当初の滞在期間から短縮される可能性があることなど、事務手続き上の齟齬や手違いの解決に対して予想以上のエフォートが発生している。一方で、研究自体は、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、1) タバコカスミカメのゲノム情報からネッタイシマカで発見された満腹センサー遺伝子の探索を行う、2) 機械学習を用いた摂食行動解析システムを用いてより高精度・高分解能にネッタイシマカの摂食行動を評価する、までを滞在終了までに完成させる。帰国後に、3) タバコカスミカメにおいて 1) を標的とした薬理実験を行い、摂食行動を 2)を用いて評価する予定である。なお、帰国後の研究については、異なる研究助成への応募を行い、本研究をきっかけに始まった国際共同研究をここで終わらせずに、より発展させたいと考えている。
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Research Products
(1 results)