2022 Fiscal Year Research-status Report
アピコンプレクサ門原虫が持つ退化葉緑体の比較プロテオミクスによる普遍的機能の解明
Project/Area Number |
21KK0285
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂本 寛和 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (40724349)
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Project Period (FY) |
2022 – 2023
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Keywords | 細胞内共生 / 葉緑体 / アピコンプレクサ / パーキンサス |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫に代表されるアピコンプレクサ門原虫は葉緑体起源のオルガネラ(以降’原虫葉緑体’)をもつ。光合成能力を喪失した原虫葉緑体は、無用の長物に思えるが原虫の生存に必須であり、原虫葉緑体の生理学的意義や普遍的機能は完全には理解されていない。本研究では、原虫葉緑体の独自ゲノムすらも喪失した最も退化した葉緑体をもつパーキンサスに着目し、その葉緑体に残された機能を解析することで原虫葉緑体における最小限の機能の理解を目指す。本発展研究では、近位依存性ビオチン標識法によって初めてマラリア原虫葉緑体のプロテオームの解析に成功したスタンフォード大学Yeh博士の研究室の滞在し、Yeh博士らの経験を踏まえつつ、コントロール細胞や細胞可溶化法などについて議論しながらパーキンサスの原虫葉緑体プロテオーム解析を実施する。 本研究は、令和5年3月に交付内定をいただき、令和4年度の1ヶ月の研究実施期間に、滞在先である米国スタンフォード大学Yeh博士および大学オフィスとの査証発行手続きを開始した。並行して、滞在中の具体的な研究実施計画に関する打ち合わせを実施した。渡米中に所属研究室で実施する基課題の進捗管理、指導学生らの指導方法など、研究代表者が不在中の研究室運営や代替人員の補充などに関する打ち合わせを所属研究室スタッフらと実施した。その他、渡航中の滞在先の確保など、渡航や滞在に関する情報収集や手続きを行い、滞在先での研究活動の基盤作りの準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年6月の渡航を予定しており、そのための査証申請準備を進めている。また、研究代表者が不在中の所属研究室の運営に関する打合せを実施した。査証が予定通り取得されれば、令和5年6月より渡航予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
滞在開始しだい、滞在先研究室においてパーキンサス培養系を確立し、確立後に解析用パーキンサス細胞を日本から輸送する。それらの細胞を用いて、Yeh博士らが実施したマラリア原虫での解析の知見を活かしながら近位依存性ビオチン標識法による原虫葉緑体プロテオーム解析のための条件検討を実施し、プロテオームのプレ解析を迅速に行う。このデータを参考に細胞可溶化やタンパク質精製方法を向上させ、高品質なプロテオームデータが得られるよう努める。
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